ナレッジマネジメントとは?歴史・フレームワーク・最新事例まとめ

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ナレッジマネジメントとは?歴史・フレームワーク・最新事例まとめ

社員一人ひとりが持つ知識やノウハウを企業全体で蓄積し共有し合うことで、日々の業務や経営戦略に活かしていくことを「ナレッジマネジメント」と呼びます。

本記事では、

などナレッジマネジメントとは何か、その答えとなる内容をご紹介いたします。

本記事でナレッジマネジメントの全体像を掴むことで、自社の取り組みをどう推進していけば良いのか考えるヒントになるでしょう。ぜひ最後までお読みください。

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ナレッジマネジメントとは?

ナレッジマネジメントとは?

ナレッジマネジメントとは、社員一人ひとりの知識やノウハウを集積・共有し合うことで、業務の効率化や経営戦略の策定などに活かそうとする取り組みまたはコンセプトです。

ナレッジマネジメントは業務の属人化を防ぐとともに、社員教育などの人材育成、顧客対応の強化、社内コミュニケーションの活性化など、企業にとってさまざまなメリットをもたらします。

近しいものとして「ナレッジ共有」という言葉がありますが、ナレッジ共有は取り組み全体ではなく、知識を共有する行為そのものを指します。また「ナレッジシステム」は知識を集積するシステムを呼ぶものです。

企業にとってナレッジマネジメントの活動が重要な理由

企業にとってナレッジマネジメントの活動が重要な理由

ナレッジマネジメントの活動は企業にとってなぜ重要なのでしょうか。

それは、経験豊富なベテラン社員や社内でも希少なスキルを持つ優秀な社員の知識やノウハウをできるだけ属人化させず、情報(ナレッジ)として伝承できるかが、企業の成長にとって大きな影響を与えるからです。

ナレッジの伝承が上手く機能すれば、全社的な従業員のスキルアップが図れるだけでなく、業務の属人化を避けられることで、ベテラン社員や優秀な社員の急な離職(休職・退職等)のリスクに備えることにもつながります。

また昨今の働き方の多様化(テレワーク等)により、職場で毎日のように顔を合わせる機会が減ったことで、以前に比べてナレッジの伝承が難しくなっている背景もナレッジマネジメントが再び注目されている理由といえます。

企業活動におけるナレッジマネジメントの歴史

ナレッジマネジメントの歴史は意外にも古く、1980年代よりそのコンセプトは生まれています。

1980年代~

コンピュータが企業に導入され、業務システムに蓄積した情報を企業の知識財産として管理・活用しようとするナレッジマネジメントが提唱され始めました。

1990年代~

1990年代後半よりインターネットが爆発的に普及し、社員1人に1台のパソコンが徐々に当たり前となってきます。しかし、ナレッジマネジメントへの正しい理解は進まず、集積システムを構築しただけで、多くの社員がナレッジの共有に積極的ではないという状況が多く見られました。

またこの頃、国内の製造業における開発のプロセスを可視化した「SECIモデル」が、一橋大学大学院教授の野中郁次郎氏らによって提唱され、ナレッジマネジメントの有効なフレームワークとして注目され始めました。

2000年代~

21世紀になって、ようやく少しずつナレッジマネジメントへの正しい理解が進みはじめました。ナレッジの蓄積は自動的に行われないこと(知識の登録は自分たちで行う必要がある)、実際の業務に活用されて初めて役立つものとなること、部門を問わず全社で共有されるべきであること、などを踏まえた取り組みが増えました。

2010年代~

2010年代に入ると企業のデジタル化はさらに加速します。ビッグデータの活用やAI(機械学習)などの最新技術により、ナレッジマネジメントの規模も対応範囲も拡大していきます。

そして現在、働き方の多様化によるリモートワークの普及や流動的な働き手に対応した社員の教育方法の見直し、そして新しいナレッジマネジメントツールの登場などによりナレッジマネジメントの重要性が徐々に見直されつつあるのです。

企業におけるナレッジマネジメントの具体的実践法

企業におけるナレッジマネジメントの具体的実践法

では、具体的に企業においてどのようにナレッジマネジメントの取り組みを推進していくべきでしょうか。

実はその答えは一筋縄ではなく、企業規模や新入社員の割合、過去や現状の取り組み状況、あるいは従業員のITリテラシーや情報開示に対する企業カルチャーによっても様々です。

例えば従業員30名程度で過去に取り組んだことがないのであれば、まずはアナログ・デジタル問わずベテラン社員の時間をもらって、有益な情報をいくつかアウトプットしてもらうだけでもそれは大きな前進だと言えます。

反対に何千人・何万人といる従業員の全社的なスキルアップを求めるのであれば、きめ細やかな運用ルールや大規模な知識共有でも耐えうるツールの選定、さらには取り組みの中間指標・ゴール設定などが必要となってきます。

しかしいずれの場合においても、ナレッジマネジメントのフレームワークとして広く知られている「SECIモデル」の考え方を知っておいて損はありません。自社におけるナレッジマネジメントの進め方はもちろん、従業員にとってどのような「場」が不足しているのかを客観的に把握することができるためです。

フレームワークとして有効なSECIモデル

SECIモデル4つのプロセス

SECIモデルは4つの「プロセス」とそれに紐づく「場」から構成されています。

1. 共同化プロセス
2. 表出化プロセス
3. 連結化プロセス
4. 内面化プロセス

1. 共同化プロセス

個人が保有している暗黙知(言語化されていない知識)を他者に共有するプロセスです。
この段階では言語化されていなくて構いません。同じ体験や業務を通じて、他者に感覚を理解してもらえれば十分です。

また共同化を促進するために必要な「創発場」は、個人の暗黙知を気軽に共有できる場を指します。

2. 表出化プロセス

次に先ほど感覚的に共有できた暗黙知を文章や図解などの形式知として表出させるプロセスが表出化です。

表出化を促進させる「対話場」は暗黙知を形式知に変換させる場となり、気軽なコミュニケーションではなく言語化するという目的を持って議論したり対話する必要があります。

3. 連結化プロセス

「連結化」は先ほどのプロセスで形式知化したものをさらに別の形式知と組み合わせることで、新たな知識を創造するプロセスです。

連結化においては「システム場」が必要となり、各社員が形式知を持ち寄り統合する場として機能する必要があります。(ナレッジマネジメントツールの多くはこのシステム場に寄与するもの)

4. 内面化プロセス

「内面化」は新たに手に入れた形式知を自分のものとして習得できるように、反復練習するプロセスです。

「実践場」は新しい知識を個人が習得する場となるため、作業デスクや作業場、あるいは移動中や自宅など場所を限定できるものではありません。

このように4つのプロセスを繰り返し昇華させていくことで、高いレベルの知識を他者と共有できるようになるとSECIモデルでは提唱しています。

なお、SECIモデルについてさらに詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。

SECIモデルとは?企業におけるナレッジマネジメントへの活用と具体例

ただし、SECIモデルはあくまでナレッジマネジメントにおける有名なフレームワークの一つです。自社にとってどのような進め方が最も合うかについては、自分たちで深く考える必要があるでしょう。

では具体的実践方法を見ていただいた上で、各企業における最新のナレッジマネジメント事例をいくつかご紹介したいと思います。

企業におけるナレッジマネジメントの取り組み最新事例

企業におけるナレッジマネジメントの取り組み最新事例

ではここからはもう少し身近にナレッジマネジメントを感じて頂くために、各企業最新の具体的な取り組み事例を見てみましょう。

※なおここで紹介する内容はナレッジマネジメントを目的とした取り組みかどうかは分かりません。筆者の視点でSECIモデルにおける各プロセスの「場」となり得ているものをピックアップいたしました。

1.サントリー食品インターナショナル株式会社「社長のおごり自販機」~創発場

社員2人が同時に自動販売機に社員証でタッチすることで2人分のドリンクが無料でもらえる「社長のおごり自販機」。たまたま居合わせた社員と飲み物を片手にコミュニケーションを行う機会は、創発場として位置づけることができます。

社長のおごり自販機(サントリー食品インターナショナル株式会社)

2.株式会社ガイアリンク「Virbela」~創発場・対話場

ビジネス利用に特化したアバターでコミュニケーションができるバーチャル空間上のプラットフォームです。バーチャル上のオフィスは創発場・対話場とあり、将来的な可能性として「システム場」にもなり得る面白いサービスです。まだまだ登場したばかりなので実用化するのは先ですが、ナレッジマネジメントの取り組みと相性が良さそうな技術と言えそうです。

出典:ガイアリンク、 米国発の総合バーチャルワールドプラットフォーム「Virbela」と日本代理店契約(Reseller Partnership)を締結(PR TIMES)

3.株式会社ソシオテック研究所「DO-LEARNING」~実践場

実話に基づいた場面で「自分ならどう行動するか」を選択して学ぶ新しい発想のeラーニングです。単なるインプットや一時的なトレーニングに留まらないことで、実践場として機能します。

出典:「社員が輝き、成果に繋がる」を実現。新型Webトレーニング「DO-LEARNING」11月15日(月)よりブランドサイトがオープン。モニタートライアルの募集スタート(PR TIMES)

4.株式会社スノーピークビジネスソリューションズ「CAMPING OFFICE」~創発場・対話場

キャンプ場で合宿や研修、ミーティングをする「CAMPING OFFICE」。自然の中で、新たなつながりや着想が生まれる可能性もあるでしょう。

CAMPING OFFICE(株式会社スノーピークビジネスソリューションズ)

5.カルビー株式会社「フリーアドレス制」~創発場、「オンライン会議用のブース」~対話場

近年広く普及する座席を固定しないフリーアドレス制は、チームや部署を超えたコミュニケーションを活発にする創発場となるでしょう。

また反対に集中して会話できる1人ブースは、オンライン会議などにおいて集中できる対話場として、SECIモデルの循環をうながします。

出典:カルビー、本社オフィスを全面リニューアル!“畑”をモチーフに、新たな価値やアイデアがより共創しやすい空間へ(PR TIMES)

6.株式会社再春館製薬所「エンタープライズサーチ」~システム場

最後は、コールセンターにおけるナレッジマネジメントツールの活用事例です。

エンタープライズサーチ(企業内検索システム)を導入することで、電話応対中でも素早く情報を見つけることができるようになるなど、ナレッジを集積するシステム場として利用されています。

株式会社再春館製薬所様:エンタープライズサーチ導入事例

(参考記事)エンタープライズサーチとは?主な機能や導入メリット・活用事例を解説

上記の他にも、実は古くから存在する社員旅行や社員食堂、あるいは休憩スペースでの談話なども創発場の一種と考えられ、ナレッジマネジメントは身近に存在するのです。

しかしナレッジマネジメントへの理解が乏しかったり、創発場から次の場が存在しないことで、プロセスが止まっているというケースも少なくありません。

次は企業においてナレッジマネジメントが失敗しやすい理由を見ていきましょう。

企業においてナレッジマネジメントが失敗しやすい理由

企業においてナレッジマネジメントが失敗しやすい理由

せっかくナレッジマネジメントに取り組んでも、すべての起業が成功しているわけではなく、失敗に終わる企業も少なくないというのが実情です。

ナレッジマネジメントが失敗しやすい理由として、次の3つが挙げられます。

1. ベテラン社員にとって知識共有のメリットがない
2. 活動初期だけでなく継続的な啓蒙が必要
3. ナレッジリーダーや取り組み自体の評価がしづらい

1. ベテラン社員にとって知識共有のメリットがない

特に高度な暗黙知を持ち合わせているベテラン社員が、その暗黙知を形式知化することだけでも、他の社員にとっては大きな意味があります。

しかし暗黙知を持つベテラン社員にとって、自分のナレッジを表出することにどんなメリットがあるでしょうか。特にメリットがなければ自分のノウハウや知識を共有する気になれないというのが、実際のところ本音かもしれません。

また前向きに捉えている社員であっても、言語化または図解化するのは大きな負担であるため、日々の業務に追われつい後まわしになることもあるでしょう。

そうならないためにも、自分のナレッジを共有したくなる仕組みを構築できるかどうかが鍵となります。

2. 活動初期だけでなく継続的な啓蒙が必要

ナレッジマネジメント推進の担当者が他業務と兼任している場合、継続的な啓蒙活動にリソースを割きにくいという事情もあるでしょう。しかしナレッジマネジメントの活動は一度ツールを導入して終わり、というような性質の取り組みではありません。

毎日の業務の中で継続して取り組み、ナレッジを積み重ねて、数カ月〜数年単位で成長させていくことで大きな威力を発揮していくもの。活動初期だけでなく継続的に、ナレッジマネジメントの必要性や意義、目的をしっかりと伝え続けていく必要があります。

3. ナレッジリーダーや取り組み自体の評価がしづらい

ナレッジマネジメントは業務の効率化や経営戦略の立案に大きく寄与するものですが、直接的に企業の売上に貢献できる取り組みではありません。さらに言えば、スパイラル構造とする「SECIモデル」には決まったゴールがありません。

この二つの観点からナレッジマネジメントは取り組みの成果が評価しにくいものとなっています。そのため、当然ナレッジマネジメント推進担当者に対する評価もあいまいなものになってしまいがちです。

活動前後を比較をしたり、推進の中間地点(KPI)を設けて観測するなど、何がどう変わったのかを客観的に評価できるようにしておくことがポイントです。

ナレッジマネジメントを上手く推進するためのコツ

ナレッジマネジメントを上手く推進するためのコツ

では具体的に、企業においてナレッジマネジメントの取り組みを上手く推進するためにはどうしたらいいのでしょうか。

企業規模やナレッジマネジメントを必要するレベルによっても様々ですが、すべてに共通する要素として、次の3つを推進のコツとしてお伝えします。

1. 情報共有のメリットを可能な限り作る
2. 最初から高機能なナレッジマネジメントツールを取り入れない
3. まずはスモールスタートで社内に成功事例を作ることから始める

1. 情報共有のメリットを可能な限り作る

先ほども少しお話ししましたが、情報共有を促進するために、社員が思わず情報を共有したくなる仕組みを取り入れることが重要です。

例えば具体的に、以下のようなインセンティブ設計は取り入れられるでしょうか。

特にナレッジを多く持つベテラン社員が進んで情報を共有したくなるようなメリットを提示することが大切です。

2. 最初から高機能なナレッジマネジメントツールを取り入れない

ナレッジマネジメントツールには高機能かつ高価なものから、特定の機能に特化したシンプルなものまで様々なものが存在します。

しかし、取り組みの最初からいきなり高機能なツールを導入したことで失敗するケースは少なくありません。例えば以下のような失敗事例が挙げられます。

高度なナレッジマネジメントツールを導入するのは、実際にナレッジマネジメントの重要性がある程度社内に浸透してきてからでも遅くはありません。

もしくは取り組みの最初にツールを導入する場合、誰もが直感的に操作できたり、機能を絞ったシンプルなツールを選ぶのがコツです。

3. まずはスモールスタートで社内に成功事例を作ることから始める

高機能なツールの失敗例と同じく、ナレッジマネジメントの活動自体もいきなり大々的に全社で取り組もうとすると、失敗する可能性が高くなります。

このような悲劇を避けるために、まずは小さなチームや一つの部署などからテスト的に導入し、社内で成功事例を積み上げていく方が望ましいでしょう。

(参考記事)ナレッジマネジメントの最初一歩として、エンタープライズサーチをおすすめする理由

まとめ

さて今回はナレッジマネジメントという言葉の意味を知りたい方はもちろん、実際に企業内で進めるにあたってどのような方法で進めれば良いか、あるいは、ナレッジマネジメントの歴史や具体的な取り組み事例など幅広くご紹介しました。

推進するコツとしては、自社におけるナレッジマネジメントの目的や必要性をしっかりと整理した上で、いきなり大がかりな進め方やツールの導入はせずスモールスタートを切ることです。

ぜひご紹介した内容を参考に、自社のナレッジマネジメントを少しずつ進めて頂ければ幸いです。

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