開発企業が教える!エンタープライズサーチ8つの選定ポイントと比較方法

カテゴリ:エンタープライズサーチ

開発企業が教える!エンタープライズサーチ8つの選定ポイントと比較方法

「社内でのナレッジ共有や生産性向上のためにエンタープライズサーチを導入したいが、どう選べばいいのか分からない」というお悩みはありませんか。

エンタープライズサーチを導入するためには、まず自社のどんな課題を解決したいか導入目的を整理し、そのうえでいくつかのポイントをチェックしていくことが大切です。

本記事では、

  • エンタープライズサーチ導入目的の整理例
  • エンタープライズサーチの選定ポイント

について具体的にお伝えしますので、ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。

エンタープライズサーチ(Enterprise Search)とは、企業内のあらゆる情報を横断し検索できる社内検索エンジンのこと。 必要な情報をすぐに探し出し有効活用できるといったメリットから、近年多くの企業で導入されている。エンタープライズ検索、企業内検索、社内検索、イントラネット検索とも呼ばれる。(参考記事)エンタープライズサーチとは?主な機能や導入メリット・活用事例を解説

企業内検索システム「Neuron ES」製品紹介動画
エンタープライズサーチ「Neuron ES」紹介動画
エンタープライズサーチ「Neuron ES」は、企業内に点在する資料やデータの保存場所を意識することなく、素早く欲しいファイルが検索できる企業内検索システムです。本動画は「Neuron ES」の概要や各機能紹介、導入効果をご紹介する「Neuron ES」をクイックにご理解いただけるコンテンツです。ぜひご視聴くださいませ。

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エンタープライズサーチを選定する前に導入目的を整理しよう

エンタープライズサーチを選定する前に、導入することで自社のどんな課題を解決したいのか、導入目的を確認しましょう。導入の目的が明確になるほど、必要とする機能がはっきりとし、選定の軸が定まってきます。

では具体的にどのような目的があるのでしょうか。具体例として3つご紹介します。

目的の例1. 従業員の業務効率化
目的の例2. ナレッジマネジメントへの活用
目的の例3. 社内での検索需要を経営戦略に役立てる

目的の例1. 従業員の業務効率化

エンタープライズサーチの導入目的として真っ先に挙がるのは「従業員の業務効率化」です。

弊社が2021年9月〜10月にかけて行ったインターネットによる独自アンケート調査では、会社員が普段最も時間をかけている業務は「情報収集」だと判明いたしました。

そして情報収集に時間がかかる要因として、膨大に増え続けるデータ量やデータの保管場所の多様化が挙げられます。

横断検索のイメージ

こうした現状に対して、エンタープライズサーチを活用することで、社内のあらゆるレポジトリに散在する膨大なデジタルデータを横断的に一括で検索できるようになります。

検索結果も高速に返ってくるため、情報収集および情報管理の時間と手間を削減。それにより、業務の効率化に大きく貢献するでしょう。

レポジトリ(リポリトジ・repository)とは、英語で直訳すると貯蔵庫・収納庫の意味だが、本記事ではデータやプログラムの情報が納められたデータベースのことを指す。

目的の例2. ナレッジマネジメントへの活用

ナレッジマネジメントとは、企業や組織における知識伝承・技術伝承のこと。

ベテラン社員や優秀な社員が持つ「勘」や「ノウハウ」といった暗黙知を、他の社員にも分かるように言語化・図式化などを行いそれを共有することで、社員全体のスキルアップを図るというのが企業におけるナレッジマネジメントの目的です。

一見エンタープライズサーチはこうした活動とは無縁のように感じるかもしれませんが、実は下記のような理由から、ナレッジマネジメントにも活用できるのです。

  • 検索結果に表示される文書の最終更新者を確認することで「誰が何に詳しいか一目で分かる」
  • うろ覚えの検索でも、メインのキーワードを入力すればそれに続く語句を補完してくれる
  • 検索対象・共有対象を広げることで「こんな資料・情報あったんだ」などの発見に繋がる

また本来ナレッジマネジメントを企業において実践しようとすると、その目的やメリットが従業員一人ひとりにまで浸透しなかったり、ベテラン社員や優秀な社員がナレッジ共有に割く時間が作れないなど、中途半端に終わってしまうなどのケースも少なくありません。

しかしエンタープライズサーチであれば、ナレッジマネジメントのために新たに業務を覚えてもらったり、運用ルール等を見直す必要がなく、しかも利用する社員の普段の情報収集業務が効率化されるため、すぐに始められるナレッジマネジメント手法として実は有効な手段だと言えるのです。

(参考)企業のナレッジマネジメントが思うように進まない理由と具体的解決法

目的の例3. 社内での検索需要を経営戦略に役立てる

エンタープライズサーチを導入することで、従業員がいつどのようなキーワードを検索しているかといった検索需要をログとして取得することが可能です。

実際に導入するエンタープライズサーチ製品にもよりますが、具体的には下記ようなデータが取得できる可能性があります。

  • 検索キーワードの傾向・トレンド
  • 反対に検索需要はあるが資料や情報が社内に不足しているもの
  • よく参照されている文書・データ
  • よく利用する部署・支社・工場など

これらの情報をデータマイニングすることで、経営戦略におけるアイデアを発見できたり、次の一手が見えてくることもあるでしょう。

データマイニング (Data mining)とは、AIや統計学を駆使して情報(データ)を採掘(マイニング)し、経営戦略上の知見やアイデア等を見いだす技術のこと。

なおデータマイニングの目的でエンタープライズサーチの導入を検討している場合、加えて次の2つのポイントを導入時に確認するとベストです。

  • そのツールがどこまでのデータを蓄積できるのか(データ量や期間等)
  • データのエクスポートはある程度自由にできるのか(エクスポート形式や他ツールとの連携など)

上記でご紹介したようにエンタープライズサーチの導入目的によって、選定時にどういった部分を重点的に見るのか、そのポイントも変わってきます。

導入前に改めて、自社における導入目的を整理しておくことをおすすめします。

開発企業によるエンタープライズサーチの選定ポイント8つ

エンタープライズサーチ8つの選定ポイント

ではエンタープライズサーチの導入目的を整理したら、それを踏まえて実際にツールを選定していきましょう。

選定の際のポイントとして良く挙がるのは、以下8項目です。

ポイント1. 対応レポジトリ・対応ファイル形式
ポイント2. 検索結果の速度・検索性能
ポイント3. 汎用性・拡張性
ポイント4. オンプレorクラウド
ポイント5. 操作性・従業員の使いやすさ
ポイント6. 閲覧権限・セキュリティ
ポイント7. 管理者向けレポートや導入・設定のしやすさ
ポイント8. 利用料金/料金体系

ポイント1. 対応レポジトリ・対応ファイル形式

どのような目的でエンタープライズサーチを導入するにしても共通して重要なのが、対応するレポジトリやファイル形式が社内で良く利用するものと合致しているかどうかです。

従来から利用されているファイルサーバはもちろん、SharePoint OnlineやBoxなどといったクラウドストレージの活用も近年増えてきています。他にも社内ポータルを導入していたり、社内DBとの連携が可能かどうかなど。検討中のエンタープライズサーチの検索対象範囲をしっかりと確認しておきましょう。

また対応ファイルも確認が必要です。Microsoft Office文書(Word、Excel、Powerpoint)やPDFファイル、画像ファイル、その他テキストデータ等は代表的なファイル形式ですが、企業によっては上記以外のファイル形式も頻繁に利用しているケースもあるでしょう。

そうした様々なファイル形式に対応しているのか、また検索結果画面におけるプレビューや情報の概要がどのように表示されるのかなどの詳細についても、導入前に確認しておく必要があるでしょう。

ポイント2. 検索結果の速度・検索性能

エンタープライズサーチの検索性能は選定する際の重要なチェックポイントです。特に導入目的が従業員の業務効率化である場合、成否の鍵を握っているとさえ言えます。

検索結果のレスポンスが速いエンタープライズサーチならば、多くの従業員にとってストレスがなく気軽に活用できるでしょう。逆にレスポンスが遅く、検索結果の表示に少し時間がかかるようだと業務の足を引っ張るなどの結果になりかねません。

また検索時に欲しい情報がきちんと検索結果として返ってくるかも併せて確認が必要です。文書やデータ内に検索語句が含まれているかどうかの判断軸だけでなく、きちんと検索意図に沿った結果得られるか、類似文書がヒットするか等が大事なポイントです。

さらにこうした検索速度や性能が、大規模な利用者数・文書容量・対象範囲になったとしても、安定して維持できるかも確認しておきましょう。

(参考)エンタープライズサーチ「Neuron ES」は、数百万⽂書以上(300TB以上)での安定稼働実績も。最新事例はこちらから。

ポイント3. 汎用性・拡張性

エンタープライズサーチが社内システムなどとの連携が可能であれば、利用する従業員の利用促進に繋がったり、業務効率がさらに上がるといった効果も期待できます。

例えば、普段良く利用するグループウェアの検索エンジンとして利用したり、社内ポータルサイトの検索窓に組み込むなどがその代表的な拡張事例です。

エンタープライズサーチ製品によっては、APIやSDKといった連携機能も提供されています。それらを利用できるかどうかや将来的な拡張性についても導入時に確認しておきましょう。

API(Application Programming Interface)とは、ソフトウェアやアプリケーション同士で情報のやりとりができるように橋渡しするツールや機能のこと。

SDK(Software Development Kit)とは、少ない労力でアプリケーションを開発するため、プログラム、API、サンプルコードなどをパッケージングしたもの。

ポイント4.オンプレorクラウド

導入するエンタープライズサーチが、オンプレ(オンプレミス)型orクラウド型かも選定時に必ずチェックしておきたいポイントです。

※なお2021年11月現在、クラウド型のエンタープライズサーチかつ国内製というものはほとんど普及していません。一部海外製でクラウド型は登場していますが、やはり日本語における検索精度は国内製のものと比較すると実用性に劣るでしょう。

以下にそれぞれの特徴をまとめました。

    オンプレ型エンタープライズサーチの特徴

  • 社内のネットワーク上にサーバを立ててエンタープライズサーチを動かす
  • サーバ構築の手間や予算が多少かかる
  • 自社にあった機能が自由に追加できるなど拡張性が高い
  • クラウド型と比較して長期でのコストメリットが大きい
  • セキュリティ面ではクラウド型よりも安心できる側面も
    クラウド型エンタープライズサーチ

  • エンタープライズサーチをインターネット経由で利用する
  • サーバやシステムの構築が不要となる場合もある(ホスティング会社による)
  • ホスティング会社によってはサーバを短期に用意することが可能
  • サーバ費用の初期コストを下げられる可能性が高い
  • インターネットにつながっている環境ならばどこでも利用可能

オンプレミス(オンプレ)とは、自社運用のこと。サーバやソフトウェアなどを自社内に置くため、システムのカスタマイズが柔軟にできる特徴があるほか、外部からのアクセスを防ぎやすいといった特徴を持つ。

ポイント5. 操作性・従業員の使いやすさ

導入するエンタープライズサーチが従業員にとって操作しやすいか、シンプルなインターフェイスかどうかも確認が必要なポイントです。

具体的には以下の点を確認してみましょう。

  • 検索する際の操作画面は分かりやすいか
  • 検索結果画面の一覧性は高いか
  • 検索結果画面にサムネイルやプレビュー機能はあるか
  • 細かな検索条件に対応しているか(絞り込み等)
  • 検索結果から直接データの保存場所へ移動できるか
  • スマートフォンやタブレットなどのデバイスにも対応しているか

エンタープライズサーチによっては機能が多すぎて逆に煩雑になったり、細かな絞り込み機能に対応していないものも存在します。

こうした操作感(インターフェイス)は従業員の利用頻度に直結するので、導入の際はデモ版や評価版などで一度試してみると良いでしょう。

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ポイント6.閲覧権限、セキュリティ

業務において情報共有は重要です。しかし現実的にすべての情報を全社員に開示することは難しいでしょう。

情報漏えい防止のためにも、顧客の個人情報や経営上の重要書類など、機密情報をユーザー単位できちんと非表示にできるかといった閲覧権限も重要なポイントです。

エンタープライズサーチ製品によっては、レポジトリごとに細かく閲覧権限を設定できるものもあれば、そうでないものも存在します。そのため自社で良く利用するレポジトリにおいて、閲覧権限がどこまで細かく設定できるのかを確認しておく必要があります。

また外部からのアクセスなどセキュリティ面も気になるところですが、エンタープライズサーチのセキュリティレベルは、オンプレ型は設置する社内サーバに依存しますし、クラウド型はホスティング会社に依存すると思って頂いて良いでしょう。

さらに言えば、あくまで立てたサーバに社内の資料情報や検索需要などが記録されるため、エンタープライズサーチ製品提供会社がこうした社内の機密情報に触れるといったこともありません。心配であれば、契約時にこうした情報へのアクセスに関する条項が含まれているか、内容に不備はないかをしっかりと確認しておくことをおすすめします。

ポイント7.管理者向けレポートや導入・設定のしやすさ

エンタープライズサーチによっては、利用する従業員の検索需要(検索語句やトレンドなど)に関するレポートやログが取得できるものも存在します。

これらレポートやログがどのような内容かはもちろん、取得できるデータ形式やカスタマイズ性、保存できるデータ量・期間についても確認しておくと良いでしょう。

またエンタープライズサーチを実際に導入する際に、社内の情報システム部門の方にサポートをお願いするケースも多いでしょう。しかし、通常業務と並行してのサポートには限界があるかもしれません。

可能であればエンタープライズサーチを提供する会社にも導入のサポートをお願いしたいものです。実際にどこまでサポートしてくれるのか、また運用時の保守内容などについても事前に確認しておきましょう。

ポイント8. 利用料金/料金体系

最終的に気になるのはやはり導入コストです。単純に運用費用が安いか高いかで判断はできません。以下の点も踏まえてじっくり検討しましょう。

  • ライセンスは買い切り型なのか、サブスクリプション型なのか
  • ライセンス費用以外に導入時に発生する費用とその内容
  • 運用時の保守・サポート費用とその内訳
  • アカウント数(利用する従業員数)によって費用は変動するのか
  • 対象文書数によって費用は変動するのか

アカウント数や文書数で費用が変動する従量型は大規模展開には不向きです。

反対に少人数かつ文書量も少量な組織には適しているとも言えるでしょう。ただし組織の急成長による人数の急変などの影響も最初からある程度考慮して考えておきたいものです。

従量課金ではないシンプルなライセンスモデルならば、大規模に展開するほどメリットは大きくなります。

またエンタープライズサーチの導入に必要なサーバに関しても、検索対象の総量に対して必要なディスク容量も決まっています。これらが何%程度必要かによっても、準備するサーバスペック(性能)が変わり、調達コストも変わってくるので注意が必要です。

自社の目的に合わせたエンタープライズサーチの選定を(まとめ)

さて今回は、エンタープライズサーチを選定する際に意識しておきたい導入目的と具体的な選定ポイントについてお伝えしました。

改めて選定ポイント8つをおさらいしていきましょう。

ポイント1. 対応レポジトリ・対応ファイル形式
ポイント2. 検索結果の速度・検索性能
ポイント3. 汎用性・拡張性
ポイント4. オンプレorクラウド
ポイント5. 操作性・従業員の使いやすさ
ポイント6. 閲覧権限・セキュリティ
ポイント7. 管理者向けレポートや導入・設定のしやすさ
ポイント8. 利用料金/料金体系

自社の導入目的と選定ポイントをぜひ整理して、最適なエンタープライズサーチの導入にお役立ていただければ幸いです。

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