建設業における文書管理を最適化する方法とは

カテゴリ:ユースケース

建設業における文書管理を最適化する方法とは

建設業では日常の業務で多種多様な文書が大量に作成・更新されています。代表的な文書だけでも以下のような文書を扱っており、その管理に悩む企業も多いのではないでしょうか。

  • 設計図
  • 施工計画書
  • 検査報告書
  • 作業日報
  • 安全管理記録
  • 契約書 など

紙ベースでの文書管理では負担が大きく、ペーパーレス化や文書管理システムの導入を進める企業もありますが、過去文書の活用やナレッジ共有、目的の文書を探す手間などの課題が生じるケースも存在します。

この記事では、建設業における文書管理の課題を整理し、どのようなアプローチが有効であるのかを事例を交えて解説します。

建設業における文書管理の課題

建設業における文書管理の課題

前述したように、建設業では日々多くの文書が作成されており、管理面での課題を抱える企業は多いでしょう。これに加えて法的な保存義務がある文書も存在し、適切な対応が求められます。

文書の保存義務

建設業法では、建設業者に対して文書の保存義務を課しています。

第四十条の三建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その営業所ごとに、その営業に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え、かつ、当該帳簿及びその営業に関する図書で国土交通省令で定めるものを保存しなければならない。

該当する文書を適切に管理・保存し、必要な場合には即座にアクセスできる環境が必要です。

文書ごとに定められる保存期間

大量に作成される文書を紛失せず、定められた期間間違いなく保存しなければなりません。

  • 帳簿及び添付書類
    →5年間の保存
  • 住宅を新築する建設工事に関わる完成図等
    →10年間
  • 発注者から直接請け負った建設工事に関する図書
    →10年間

参考:建設業法令遵守ガイドライン(第9版)
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001618557.pdf

紙面の文書では保存スペースの問題や災害などによる紛失が課題となりますが、思うようにデジタル化を進められていないケースが多いのが実情ではないでしょうか。

また、文書の作成から時間が立つにつれて、フォルダ構造や保存するストレージの変化、人員の入れ替えなどにより、データは存在するがどこにあるのか、きちんと保存されているのかわからない、といった状況を避けなければなりません。

長期的に保存された文書を活用するための仕組み

デジタル化が進んだ現代では、ほとんどの文書をデジタルで保存することができます。法令で定められている文書の他にも、技術的な根拠となる文書やノウハウ・ナレッジ文書もあるでしょう。

これらの文書は企業の資産として活用するべきものですが、膨大な文書に埋もれてしまっているケースも考えられます。既に存在する文書に気づかず、同じような内容の文書を作成するなど無駄な工数が生じてしまうこともあるようです。

長期的に文書を保存するだけであれば、安全性の高いストレージにデータとして保存することで対応は可能です。しかし、必要なときに文書へアクセスし、有効活用するためにはそのための仕組みが必要です。

建設業で求められる生産性向上のための文書管理とは

建設業で求められる生産性向上のための文書管理とは

では、法的な義務を満たしながら、生産性も向上させる文書管理とはどのようなものでしょうか。

データを紛失しない保存場所の確保

社内(オンプレミス)のファイルサーバの他に、近年では、SharePoint OnlineやBox、Dropboxといったクラウド上にデータを保存できるサービス(クラウドストレージ)も多く存在します。サーバのメンテナンスはサービス提供事業者により行われるため運用負担が少なく利用しやすいデータストレージです。

様々な文書へ素早くアクセスするための手段の確立

過去の情報を参照しながら業務をするケースも多いため、文書を探す手間を省き、効率的に文書を見つけ出せる仕組みが必要です。フォルダ構造のルール化やファイルの命名規則により、一定の効果を見込むことができます。

また、企業内検索システム(エンタープライズサーチ)によって、膨大な資料を対象に高速かつ全文(ファイル名だけでなくファイルの中身も対象に検索すること)で検索できるシステムの導入も一つの手段でしょう。これにより、フォルダ構造やファイルの命名規則にルールを設けなくても、資料の内容で検索できるため、欲しい情報にすぐに辿りつきやすくなります。

文書管理システムの活用

建設業で導入されている文書管理システムは多く存在しており、それらを活用するのも効果的です。文書を登録することで保管期間やバージョンの管理、詳細な文書アクセス権限の設定など、膨大な文書を扱うために役立つ機能が充実しており、活用している企業も多くあります。

クラウド型のサービスも存在しているため、テレワークや出先からのアクセスにも対応することが可能です。長期的な保存に耐えられるストレージ、必要な文書へアクセスできる仕組み、使いやすいシステムが、適切な文書管理を実現するために重要と言えます。

建設業で効率的に文書を活用している事例

建設業で効率的に文書を活用している事例

建設業の文書管理における業務改善とは、具体的にどのような手段があるのでしょうか。ここでは事例を紹介します。

西武建設株式会社:データ利活用の活性化

西武建設株式会社では文書をファイルサーバに保管し、必要に応じて文書を検索・参照する運用を行っています。入札時の提案書や積算書の作成時には多くの過去文書を参照しますが、ファイルサーバデフォルトの検索速度や精度に課題があり、資料が見つからないケースもあったと言います。複数の案件を抱える状況ではこの影響も大きく、効率的な情報収集を行える仕組みが必要でした。

そこで、企業内文書検索システム「Neuron ES」の導入を実施しています。「Neuron ES」により既存のファイルサーバに対してスピーディな検索を実現し、過去文書へのアクセス性が改善したことで効率的な情報収集・文書参照が実現されています。
「検索すれば目的の文書が見つかる」という環境により、従業員が文書を保存するようになった効果もあるようです。

西松建設株式会社:クラウドストレージの検索性向上

西松建設株式会社ではクラウドストレージ「Box」を全社的なクラウドストレージとして利用しています。クラウドストレージにより文書共有化や効率的な管理が促進されましたが、Boxに保存された文書に対する「全文検索」が課題として残ってしまいました。

Boxの全文検索にはファイルサイズの上限が1万バイトという制限が設けられています。
そのため、文書の後半に登場する単語では全文検索で抽出されず、文書は存在するのに全文検索で見つけられないケースが生じます。

そこで、企業内文書検索システム「Neuron ES」を導入しています。「Neuron ES」ではBoxに対してファイルサイズ上限の無い全文検索を行えるため、検索キーワードを含む文書を漏れなく見つけ出すことができます。検索速度が速く、拡張子などで絞り込むことも可能なため文書へのアクセス性が大きく向上しています。

千代田化工建設株式会社:肥大化するファイルサーバの改善

千代田化工建設株式会社ではファイルサーバの肥大化が進行しており、必要な資料にたどり着けず、蓄積されている過去の資料を活用できていない課題を抱えていました。

そこで、ファイルサーバの管理を意識しながら、効率的に文書を検索できる「Neuron ES」を導入しています。導入後は300名以上の従業員が「Neuron ES」を活用し、1000万にも及ぶ文書を効率的に検索・活用できる環境を実現しました。

クラウドストレージでも容量の問題への対処はできますが、「Neuron ES」により過去文書を素早く参照できることで、過去資料を参照しながらの文書作成や情報収集の効率化が大幅に効率化されています。過去文書を有効活用しながら資料作成を行うことで、業務効率が大きく上げることに成功した好事例です。

参考:https://www.brains-tech.co.jp/case/case18-chiyodacorp/

建設業の文書管理を一歩進めるアプローチ

建設業の文書管理を一歩進めるアプローチ

建設業で文書管理を実現するために、ペーパーレス化と文書管理システムの導入は一般的で有効なアプローチと言えます。ここから更に効率的な文書管理が必要になる理由と、実現するための考え方を解説します。

文書管理で生じる課題

文書をペーパーレス化し、OCR技術によりテキストデータとして管理することで、物理的な場所を取らず、社外から文書にアクセスすることも可能となります。

しかし、文書ファイルが増加するにつれて、過去の資料を見つけにくくなる、ファイルが重複し、どれが最新版かわからないなどの課題が生じてきます。

ファイルの整理ではうまくいかない

上述の課題について、フォルダ構造やファイル命名規則のルール化により対処することも考えられます。

しかし、運用ルールの変更や人員の入れ替え、ファイル作成者の退職などにより、従業員全員がルールを間違いなく遵守することは難しいでしょう。ファイルサーバとクラウドストレージなど、複数の場所に文書を保存する場合は更に複雑化してしまいます。

現実的な対応策

フォルダ構造や命名規則をルール化し、文書が整理整頓された状態を作ること自体は重要な運用です。その上で、古い文書やファイル名にミスがある文書にもアクセスできる手段が必要となります。

「Neuron ES」は、複数のストレージを高速に横断検索できる企業内検索システムです。既存のストレージに対して検索を行うため文書の再アップロードの手間がなく、わかりやすいユーザーインターフェースで素早く目的の文書にアクセスすることができます。

ファイルサイズ上限のない全文検索に対応しているほか、ファイル種別や最終更新者、ファイルパスでの絞り込みなども行えるため、ファイル名やファイルパスが曖昧な場合でも目的の文書に辿りやすくなります。

文書管理で生じる課題には、ファイルを高速に検索し、ユーザへ提示する仕組みが重要と言えるのではないでしょうか。

ペーパーレス化したデータを効率よく管理・活用

ペーパーレス化したデータを効率よく管理・活用

デジタル化された文書はスペースを取らず、安全に長期間保存することができます。
しかし、文書の保存場所が点在化しやすく、必要な文書が見つかずに業務が滞ってしまうこともあるのが課題と言えるでしょう。

「Neuron ES」は、ファイル名だけではなく文書内の全文検索や、ファイルのサムネイル・プレビューの表示機能により目的の文書へスピーディにアクセスできる検索システムです。

文書の保存義務を満たしながら、不便なく社内の資料やデータを素早く探せるように活用していくためにも、ぜひご検討ください。

https://info.brains-tech.co.jp/doc/neuron_knowledge

ユースケースの記事一覧へ戻る

\ 企業におけるデータ活用の最新情報をお届け /

ホワイトペーパー参考弊社ブレインズテクノロジーでは、企業におけるデータ活用の最新情報として下記のようなお役立ち情報を毎月定期的に発信しております。

・企業における情報管理・情報共有の実態調査
・従業員の働き方やデータ活用に関するテーマ
・ナレッジマネジメントに関する課題や解決法  など

メールアドレスの登録のみで無料にて情報をお届けいたします。配信の解除もいつでも可能です。ぜひご登録ください!

※弊社個人情報の取り扱いに同意頂いた上でご登録ください。

まずはお気軽に
お問い合わせください!