大学DXとは?メリットや取り組む手順・成功事例まで解説

カテゴリ:ユースケース

大学DXとは?メリットや取り組む手順・成功事例まで解説

近年、国や自治体、民間企業などあらゆる組織でDXが推進されており、それは大学も例外ではありません。

大学DXを推進する最大のメリットには、大学職員の業務効率化や教授や講師など教員が行う教育の質向上も挙げられますが、同時に学生の就職先となる組織が求めるデジタル人材の育成にもつながります。そのため教育・研究・事務と幅広い分野において大学DXを推進する大学が増えています。

そこで本記事では、

  • 大学DXの概要やメリット
  • 大学DXを推進する具体的な方法
  • 大学DXに成功した事例

についてご紹介します。ぜひ大学DXを推進する際の参考情報としてお役立てください。

大学DXとは

大学DXとは

そもそも、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用し、事業や組織活動において革新的な価値を創造することですが、改めてなぜ、大学でもDX化が求められるのか、その背景と現在の課題ついて解説します。

大学DXが求められる背景

大学DXが求められるようになった背景は、大きく2つに分けられます。

経営効率の向上

令和5年度の「日本私立学校振興・共済事業団の調査」によると、2023年の入学定員充足率は99.5%と全国的に定員割れという結果になりました。特に500名未満の小規模校では90%を下回っている厳しい状況にあります。

少子化による大学進学志願者の減少が加速する中、各大学は競争力を高めるためにコストの削減や志望学生の確保、優秀な学生の輩出などが求められています。DXを推進することで経営効率の向上を目指す大学が増えています。

教育の質向上

教授や准教授、講師など教員による教育の質を高めるには、個々の学生が学びに集中できる環境を整備したり、研究の質も同時に高めることが必要です。

しかし、従来の紙ベースの教育だけでは「誰が」「どの程度の学習レベルにあるのか」などの情報を把握するのが難しいことから、基盤システムの導入と併せてDXの推進が求められるようになりました。

大学DXの課題

大学DXが求められる一方、以下のような課題もあります。

  • 業務上紙ベースでの情報のやり取りが多い
  • 教職員・大学職員のDXに関する知識が不足している
  • DX化ためのシステム導入のコストがかかる

DX化に伴い、システムの導入や規則の見直しなど、多角的な面でのイノベーションが必要です。そのため、DXにおける知識の習得や予算の確保など、十分な準備をしたのちに大学全体で取り組むことが求められます。

大学DXの種類

大学DXにも様々なタイプがありますが、今回は体表的な以下の3つのタイプを紹介します。

事務DX

事務DXは、教職員向けのDXです。手続きや情報管理などの学内業務における業務効率化や生産性を向上させ、学生サービスの向上や職場環境の改善などを目指します。

教育DX

教育DXは、在学中の学生や受験生、卒業生向けのDXです。オンライン授業の実装や学生の学習状況を一元管理し、一人ひとりに合わせた教育を実践し、教育の質の向上を目指します。

研究DX

研究DXは、大学研究に携わる教授やスタッフ、大学院生・大学生などに向けたDXです。研究データを共有・利活用できる基盤システムを導入や、研究に関するネットワーク基盤の構築などにより、研究の促進を目指します。

大学DXを推進するメリット

大学DXを推進するメリット

では具体的に、大学DXを推進するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。いくつかご紹介します。

業務効率化やコスト低減につながる

事務DXを推進することで、大学職員や教職員の業務効率化やコスト低減につながります。例えば、従来の紙ベースでの業務は、手作業での入力やファイリング、書類のスキャンなどの業務が発生します。

しかし、ITツール等のシステム導入によりペーパーレス化を実現することで、こうした事務作業を削減できるとともに、教職員が本来業務である学生サービスに取り組む時間が増加します。また、紙代やインク代などのコスト低減にもつながります。

学生の学習状況を可視化できる

基盤システムを導入し、学生のデータと紐づけることで、教職員が学生一人ひとりの学習状況を可視化できるようになります。

学生の学習状況を素早く確認ができれば、現在の状況に応じて学生への対応を柔軟に検討できます。また、教職員が自身の授業を振り返ったときに、課題や改善点の発見もしやすくなるでしょう。

教育の質を高められる

授業内容の特性に適したシステムを活用することで、教育の質を高められます。

例えば、身体や生物の構造を見る際にVRを活用することで、情報を3Dで可視化できます。教科書で見るよりも、学生に深い理解を与えられるでしょう。

遠隔授業を実現できる

リモート授業を実現することで、遠方に住んでいる学生や障がいにより通学が困難な学生にも教育を提供できます。また、海外とのやり取りも可能になるため、グローバルな授業展開も目指せます。

より幅広いエリアから学生を募集できるようになるため、優秀な学生を集められるとともに大学の評判を高められるでしょう。

大学DXを推進する手順・流れ

大学DXを推進する手順・流れ

ここでは、大学DXを推進する手順・流れを解説します。

1.DXを推進する目的や課題を明確にする

まず、DXを推進する目的や現在の大学の課題を明確にします。
「どのような事務・教育・研究を目指したいのか」「どのような課題を改善したいのか」を明確にすることで、DXの方針や導入するシステムが見えてきます。

2.DX推進の体制を整備する

DX推進の中心となるプロジェクトチームを選定します。DXに関するノウハウやスキルが不足している場合には外部のIT商社やITコンサルに依頼することも検討しましょう。

また、DXは大学全体で一丸となり推進することが必要です。そのため、経営層から教職員に対しDXを推進することを周知することも大切です。

3.DX推進の計画・施策を策定する

予算や期間を決定し、目的達成や課題改善のための施策を策定します。

その際、まずはスモールスタートでDX化をはじめることがおすすめです。失敗するリスクや現場の負担を軽減できます。

4.ITシステムを導入し、DXを推進する

ITシステムを導入し、DXを推進します。運用を始めたら定期的に効果測定し、結果を評価しましょう。分析の課程で、新たな改善点や施策につなげられます。

大学DXの成功事例

大学DXの成功事例

最後に、大学DX推進の成功事例をいくつか紹介します。

明治大学:大学職員向け検索システムの導入

3年で人事異動が行われる明治大学では、完璧な引継ぎができず、新しい部署に配属されたメンバーが必要な情報に辿り着けない問題が発生していました。

そこで検索効率の向上を目指し、大学職員向けの学内資料を主な対象とした検索システム「Neuron ES」を導入。ファイルの最終更新者で絞りこむことで、情報検索だけでなく業務の引継ぎ補助ツールとしても活用しています。

また、同製品の他大学での事例では、全文検索機能により、大量にある教員や生徒の論文を瞬時に検索できるようになったことで、過去資料の活用や教員の業務効率化に役立てられています。

その他の「Neuron ES」の導入事例はこちら

東北大学

東北大学の事務DXの事例を紹介します。
手続きの押印や窓口での手続きなど、対面かつ手作業による業務が多くあったことから、2020年6月に「東北大学オンライン事務化宣言」を実施。「働き場所フリー」「窓口フリー」「印鑑フリー」を大学全体で推進しました。

デジタルデータへの置き換えやチャットボットの導入などにより、2021年時点で合計47,000時間/年の業務時間の削減に成功。現在もChatGPTなどの最新ツールを積極的に検証しつつ、従来のDXの取り組みを継続して実行・拡大しています。

参考:東北大学におけるDX推進
参考:東北大学 DXナビゲーション「業務のDX」

金沢工業大学

金沢工業大学の教育DXの事例を紹介します。

「学生一人ひとりの学びに応じた教育実践」を実現する取り組みの一つとして、修学データベースの統合とデータの分析を実施。

その結果、「学生がつまずき易い科目は数理系科目であり、さらに、科目のどの単元でつまずいているのかが明らかになる」など、学生一人ひとりの学びに応じた教育実践のためのデータを収集・分析できるようになりました。

参考:KITの教育DXの概要

大学DXには課題に合うシステムの導入が欠かせない

大学DXには課題に合うシステムの導入が欠かせない

この記事では、大学DXの概要やメリット、推進する流れを解説しました。大学DXは、他の大学との差別化や競争力の向上は、多くの大学が推進する取り組みです。そのためには、目的達成や課題改善に適したツール・システムの導入が欠かせません。

弊社ブレインズテクノロジーが開発・提供する「Neuron ES」は、教育機関はもちろん、官公庁・自治体、大手民間企業にも導入されている実績豊富な検索システムです。ポータルサイトやファイルサーバ、クラウドのBox、SharePointなどに散らばった学内の資料やデータを横断的に一括検索できるため、教職員の業務効率化やナレッジ活用に貢献します。

「Neuron ES」について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

https://info.brains-tech.co.jp/doc/neuron_knowledge

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