【事例あり】設備保全DXで何が変わる?必要性や取り組み方を解説

カテゴリ:ユースケース

【事例あり】設備保全DXで何が変わる?必要性や取り組み方を解説

設備保全は、生産活動をできるだけ滞りなく行うために重要な取り組みです。しかし作業員に負荷がかかる他、人手不足や技術継承に関する問題により、これまでのやり方から脱却するDX化が求められています。

設備保全計画の作成や点検・修理などの多岐にわたる設備保全の業務のうち、自社の課題を明確化したうえでDXに取り組むことが必要です。

この記事では設備保全におけるDXの必要性や取り組み内容を解説します。また設備保全DXの成功事例も紹介します。

設備保全とは

設備保全とは

そもそも設備保全とは「設備や機器などが安定して稼働するよう事前にメンテナンスを行ったり、チョコ停などのトラブルが発生した際に迅速に対応すること」です。

どの設備や機器も、長年にわたり使用することで経年劣化して不具合・故障が発生したり、性能が低下したりします。そのため、日常的な設備や機器の保全活動が必要です。

設備保全の種類

設備保全には、主に以下の3つの種類があります。

  • 事後保全:設備や機器に不具合・故障が発生したのちに、原因を突き止めて修理すること。
  • 予防保全:定期的に点検・部品交換などを実施すること。
  • 予知保全:設備や機器に不具合・故障が発生することを察知し、事前に修理・部品交換を実施すること。

事後保全の場合、生産活動に影響が出るもしくは製造ラインが停止する可能性があるため、損失が大きくなりやすい傾向にあります。そのため、予防保全・予知保全により、損失を最小限に抑えることが大切です。

設備保全DXとは

設備保全DXとは

一般的にDX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「デジタル技術を活用して、社会や生活をより良いものに変革すること」です。

設備保全の分野におけるDXとは、IoTやAIなどのデジタル技術を導入して新たな設備保全の仕組みを構築すること。ここでは、設備保全DXの必要性を詳しく紹介します。

設備保全DXの必要性

設備保全においてDX化に取り組む主な必要性を以下にまとめました。

オートメーション化によりみ構造が複雑化している

特に製造業において、製造ラインのオートメーション化が進んでおり、設備や機器の構造が非常に複雑化しています。すべての設備や機器の設備保全を行うには、技術の高い保全スタッフを集めることが必要です。

しかし、優秀な人材を雇用するのは難しく、また人件費も高騰することから業務の効率化が求められています。

ベテランエンジニアの退職による経験・ノウハウの消失

ベテランエンジニアの技術や経験、知識に依存している場合、スタッフの退職とともにそのノウハウが消失してしまいます。属人的な管理を続けると、人材育成もスムーズに進まなくなる可能性もあります。

設備保全におけるこうした課題に対応するために、AIやIoTなどの技術活用が進んでいます。

設備保全DXにより何が変わる?

設備保全DXにより何が変わる?

設備保全DXにより、大きく変わる主な業務プロセスについて解説します。

保全計画の作成・管理

従来

・保全計画を策定しても、紙による管理では記入や集計作業に時間がかかる

・記入漏れや確認漏れなどの人的ミスも発生しやすいことも課題

DX化後

・管理システムを導入することで、点検カレンダーや対応内容を一元管理できる

・より直感的に現状を把握できるため、作業時間を大幅に削減することが可能

保全作業の支援

従来

・紙のマニュアル・取り扱い説明書では、作業現場で確認できないため時間や手間がかかる

・ほしい情報を手に入れるには、マニュアル・取扱説明書をめくって見つける必要がある

DX化後

検索システムや文書管理システムを導入することで、社内ネットワークがつながる場所であれば、いつでも報告書や技術資料を確認できる

・対応マニュアルを画像や動画データにすることで、若手エンジニアでも円滑に業務を遂行することができる

備品・工具管理

従来

・備品・工具の管理を紙やExcelで行っている場合、目視で一つずつ確認するため、棚卸しに非常に多くの時間や人手を要する

・確認ミスや点検精度のバラツキが生じる

DX化後

・REIDリーダーなどのシステムを導入することで、棚卸しの効率や精度を大幅に向上可能

・備品・工具にかざすだけで瞬時に情報を読み取り、端末に自動的に送信される

設備保全DXの成功事例

設備保全DXの成功事例

では具体的に設備保全におけるDX化の成功事例をいくつか紹介します。

鹿島石油株式会社

鹿島石油株式会社では、社内の報告書や技術文書のスピーディな検索を目的にエンタープライズサーチ「Neuron ES」を導入しました。

エンタープライズサーチとは、社内のオンプレミス環境にあるファイルサーバやクラウド上にあるクラウドストレージなどに保管された資料やデータを一括で横断的かつ、全文検索※を可能にする企業内検索システムのことです。(※ファイル名だけでなく、ファイルの内容も対象に検索すること)

以下に、実際の取り組み内容をまとめました。

導入前の課題

・複数のファイルサーバのどこに何があるのかわからない状態であり、ほしい情報を探し出すのが困難だった。

・Windowsのエクスプローラーで検索するか、詳しい社員に確認するしかなかった。

導入の背景

・設備保全では時に迅速な対応が求められるため、必要な情報(仕様書や過去の対応事例など)をスピーディーに検索できるかどうかが重要だった。

・そこでエンタープライズサーチを導入し、資料検索にかかる時間短縮や従業員の負担低減を狙った。

導入効果

・欲しい情報を5秒程度で見つけられるようになった。

・保全業務に関わる資料をスピーディーに検索できることで、対応力の強化につながった。

・若手社員も簡単に情報を手に入れられるようになったことで、ベテラン社員の知識や技術の技能伝承にも貢献している。

関連記事:複数のファイルサーバにある膨大な資料から、技術仕様書や過去トラなどを素早く発見し、定常・非定常業務を問わず対応力強化・技術伝承に貢献

ナブテスコ株式会社

ナブテスコ株式会社は、風力発電機のヨー旋回部における故障予兆検知を目的にAI異常検知ソリューション「Impulse」を導入しました。

Impulse」は、センサーやPLCなどの時系列データに加え、動画・静止画・音声データなどをもとに、設備や機器の異常の予兆を自動的に検知するシステムです。人が立ち入れない場所や危険が及ぶようなであっても、各種データの普段とは違う動きやその相関性などをAIによって分析することで、これまで対応できなかった領域での設備保全が可能となっています。

以下に、実際の取り組み内容をまとめました。

導入の背景

・風力発電機特有の保守の難しさを感じていた。(異常検知したい場所が高所である)

・特に旋回部分にかかる負荷が大きいことから、故障を事前に回避することで機器の停止の防止や延命化を目指したい。

導入効果

・風力発電機の故障回避・状態監視機器の製品・サービス化が形になり、新規事業を立ち上げることができた。

・「Impulse」をカスタマイズしたことで、過去の異常状態の履歴を確認するなどの機能の拡充も実現できた。

ナブテスコ株式会社の事例の詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:風力発電機におけるヨー旋回部の故障回避・状態監視にImpulseを採用

設備保全DXを成功させ、業務効率化を実現しよう

設備保全DXを成功させ、業務効率化を実現しよう

さてここまで設備保全におけるDXの重要性やその取り組み内容を解説しました。

設備保全には作業員の負荷がかかる他、製造業が抱える人手不足や技術継承に関する問題により、DX化の加速が求められています。そのためは、自社の課題を解消できる何かしらの取り組みや最新技術の導入が必須となってきます。

今回紹介したエンタープライズサーチ「Neuron ES」は、製造業を中心に累計400ライセンス以上の実績を誇る検索システムです。「欲しい情報をすぐに探したい」「ファイル名だけでなくファイルの中身も含めて検索したい」といったお悩みを解決し、設備保全に置いても有効なDXツールです。

また「Impulse」は、設備の故障予兆や異常を素早くとらえる異常検知を得意とした、AI分析ツールでこちらも製造業を中心に累計30,000以上ものAIモデルが実稼働する実用的なソフトウェアです。

両製品について詳しく知りたい方は、下記よりお問い合わせください。
https://www.brains-tech.co.jp/

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