文教DXとは?よくある課題と対策・成功事例を解説

カテゴリ:ユースケース

文教DXとは?よくある課題と対策・成功事例を解説

2019年から文部科学省は「GIGAスクール構想」の実現に向けた取り組みを始めており、一人一台端末が実現しつつあります。そうしたインターネットやコンピューターの整備に伴い、文教DXに取り組む学校や教育委員会、公共図書館などの教育機関が増えています。

そこで本記事では、

  • 文教DXの概要やメリット・デメリット
  • 文教DXでよく扱われる課題とその対策
  • 文教DXに成功した事例

について解説します。ぜひ文教DXを推進する際の参考情報としてお役立てください。

文教DX(教育DX)とは

文教DX(教育DX)とは

文教DXとは、小中学校・高校・大学、公共図書館、教育委員会などの教育現場におけるDXのことです。教育DXとも呼ばれています。

ここでは、文教DXが普及したきっかけと必要性について解説します。

文教DXが普及したきっかけ

文教DXが普及した大きなきっかけとなったのは、新型コロナウイルス感染症の流行です。それまではオフラインでの授業が一般的でしたが、感染拡大を防ぐために多くの学校がオンライン授業を採用することが求められました。

現在では多くの学校でICTツールの導入が進み、オンラインでの手続きや授業の提供が可能になってきています。

文教DXの必要性

文教DXの必要性の一つに、国や地方自治体、民間企業とあらゆる組織が、AIやIoT、ICTなどのデジタル技術を使いこなせるデジタル人材の確保に動いていることが挙げられます。

そのため教育機関においても文教DXを行い、デジタル技術に慣れ親しんだデジタル人材の育成が求められています。

文教DX(教育DX)のメリット・デメリット

文教DX(教育DX)のメリット・デメリット

ここでは、文教DXのメリット・デメリットを解説します。

メリット

文教DXの主なメリットを以下にまとめました。

  • 事務作業の業務負担を軽減できる
  • 教育の質を向上できる
  • 学生一人ひとりの状況を把握し、対応がしやすくなる
  • 遠隔での教育を実現できる

例えば、生徒一人ひとりの情報をデータベースに紐づけたシステムを導入した場合、学生一人ひとりの学習状況を細かく把握できます。その結果、個々の特性や状況に合わせて、適切な指導や対応が可能となります。

また、プリントや資料の作成~配布、採点作業、出欠確認などの事務作業を自動化することで、事務作業にかかる教職員の業務負担を大幅に低減できるのもメリットです。

デメリット

文教DXの主なデメリットを以下にまとめました。

  • ツールやシステムの整備にコストや工数がかかる
  • 教育者のITリテラシーが低いと、逆に教育の質や業務効率が低下する可能性がある
  • 十分な情報セキュリティ対策が必要になる

DX推進にはツールやシステムの導入が必須です。そのため導入コストや導入後の利用促進のための作業や使いこなすための学習のための時間が必要です。ITリテラシーが低い場合には、事前に研修やセミナーを実施しノウハウやスキルを向上さる必要もあります。

また、文教DXに限った話ではありませんが、情報セキュリティ対策は非常に重要な課題です。システム上で情報を一元管理したうえでサイバー攻撃を受けてしまうと、大量の機密情報が流出してしまう可能性があります。DXを推進する際には、情報セキュリティ体制も見直す必要があるでしょう。

文教DX(教育DX)でよく扱われる課題と対策

文教DX(教育DX)でよく扱われる課題と対策

文教DXでよく扱われる課題と対策となるICTソリューションの例を紹介します。

BYODに対応したい

BYOD(Bring Your Own Device)とは、一般的に「個人が所有する端末を利用する」という意味です。教育現場においては、学生が自分のパソコンやタブレットなどを授業に持ち込むことを指します。

BYODの問題点は、学校側がどのように管理するかという点です。正しく管理ができていない場合、情報漏洩のリスクがあります。一方で管理しようにも、個人の端末なので端末管理ツール(MDM)やセキュリティ設定を行うことが難しいのが実情です。

対策の一例には、VDIソリューション(デスクトップ仮想化ソリューション)を導入するなどが挙げられます。

VDIソリューションとは、サーバ上にデスクトップ環境を仮想化し、各端末に転送して利用する技術です。どのような端末でも共通の環境で学習でき、学校側が利用や情報セキュリティを一元管理することができます。

事務にかかるリソースの削減

紙ベースで手続きや学生への情報共有を行っている場合、人員や工数、印刷コストなどがかかります。教育サービスや教育の質の向上といったコア業務に注力するためにも、事務にかかるリソースの削減は多くの大学の課題の一つといえるでしょう。

対策の一例には、クラウドサービスやRPA(Robotic Process Automation)の導入などが挙げられます。RPAとは、事務作業など一定のルールに従って繰り返す業務を、システム(ロボット)によって自動化するシステムです。

特に紙ベースで業務を行っている場合には、こうしたシステムやツールを導入することで、大幅な削減が期待できるため、検討すると良いでしょう。

より高度な教育を提供したい

より高度な教育を提供するには、一人ひとりの学習意欲を高め、学習内容への理解を深めるようなシステムを導入することが必要です。

対策の一例には、VRやAI、デジタル教科書の導入が挙げられます。VRを利用すると、教科書上で読むことでしか学べなかった内容を3D化できるため、直感的な理解につながります。

文教DX(教育DX)の成功事例

文教DX(教育DX)の成功事例

ここでは、文教DXの成功事例を紹介します。文教DXの具体的な施策が浮かばない場合には下記で紹介する事例をご参考ください。

埼玉県久喜市立鷲宮中学校

鷲宮中学校では、生徒一人ひとりの学習活動の理解度が異なることに注目しました。
そこで、「教師が主体となって教える」授業から、一人一台端末を活用した「個別最適な学び」に切り替えようと取り組んでいます。

現在は、チャット機能を活用して意見を共有したり、白紙の状態でプレゼンテーションソフトなどのデータを共有(白紙共有)し、他者の考え方を参照(他者参照)したりして、自分自身の学びをより改善できるように取り組んでいます。

参考:文部科学省「学校の取組例|埼玉県久喜市立鷲宮中学校」

岡山県立林野高等学校

これまで林野高等学校では、授業は教室内かつその授業の時間のみで完結していました。しかし一人一台端末とクラウド環境を活用し、いつでも復習・予習できる体制を整備したことで、「授業を持ち歩く」というキャッチフレーズを実現。

例えば書道の授業では、参考資料や動画などを蓄積した授業用のポータルサイトを活用し、書き方の参考にしています。自分のタイミングで確認できるため、主体的な学びにつながっています。

参考:文部科学省「学校の取組例|岡山県立林野高等学校」

東京都練馬区立関町北小学校

関町北小学校では、これまで連絡帳や週案簿、個人面談、欠席届出などのやり取りは、紙や電話などで行っていました。しかりやり取りに時間がかかることから、急な予定変更があった場合には電話連絡が必要でした。

しかし、こうしたやり取りをすべてクラウド化したことで、リアルタイムでの連絡事項の共有を実現。紙からデジタルに変革したことで、教員の作業時間の大幅な削減にもつながっています。

参考:文部科学省「学校の取組例|「学校全体で校務のDXに取り組む」練馬区立関町北小学校」

その他検索ツール(エンタープライズサーチ)の導入事例

人事異動が頻繁に行われる文教では、引継ぎが十分に行われないケースも珍しくありません。そのため、新しい部署に配属された後に、瞬時に業務に必要な情報を取得できる環境が求められています。そこで昨今文教DXに取り入れられているのが、検索ツールです。なかでも「Neuron ES」は、文教DXにおいて以下のような活用が可能です。

  • 学内ポータルサイトやファイルサーバ、クラウドストレージなどの様々な場所に保管したデータの横断的な一括検索
  • 検索機能「最終更新者で絞りこみ」により、異動における引継ぎ補助ツールとしても活用可能
  • 過去に作成したテストを一括検索することにより、テストの作成や振り返りに活用

文教DXは教員の作業効率向上と学生の学習環境改善を実現する

文教DXは教員の作業効率向上と学生の学習環境改善を実現する

この記事では、文教DXの概要やメリット・デメリット、よく扱われる課題と対策を解説しました。

教育機関においてもICTソリューションを活用することで学校教育の質が向上が期待できます。様々なICTソリューションがあるため、DX推進の目的に適したツール・システムを導入するのがポイントです。

なお事例で紹介した「Neuron ES」は、教育委員会や大学だけでなく官公庁・自治体、民間企業にも導入されている文教DX推進におすすめの全文検索システムです。

学内ポータルサイトやファイルサーバ、クラウドのBox、SharePointなどに散らばった資料を横断的に一括検索できるため、教職員の業務効率化やナレッジ共有に貢献します。都道府県単位の教育委員会での導入実績もございます。

まずは、下記製品資料をご覧いただけますと幸いです。

https://www.brains-tech.co.jp/neuron/document-n/neurones/

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