暗黙知と形式知の意味や違いを図解で解説!ナレッジマネジメントに影響大

カテゴリ:ナレッジマネジメント

暗黙知と形式知の意味や違いを図解で解説!ナレッジマネジメントに影響大

企業活動において蓄積される知識は「暗黙知」と「形式知」の2種類に分類されます。

中でもベテラン社員の持つ知識や経験が暗黙知となっており、業務の属人化はもちろん他の従業員のスキルアップにも繋がっていないなどの光景は多くの企業でよく見かけます。

そこで今回は、

などについてお話します。

特に最近では、ベテラン社員の持つ知識や経験といった暗黙知を「SECI(セキ)モデル」と呼ばれる手法で形式知化する「ナレッジマネジメント」の活動が広まっています。

本記事では、そうしたナレッジマネジメントの実践方法についても具体的にご紹介いたします。

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暗黙知と形式知の意味と違い

まずは言葉の意味として、暗黙知や形式知がそれぞれどのような意味か確認しておきましょう。

暗黙知とは

暗黙知とは、個人の経験や勘などに基づいた、他人に説明することが難しい、あるいは説明するには時間や別の知識などを有する知識のことです。

一般的に職人技や職人気質の方が持つ知識のこととイメージされやすいですが、もちろんそれだけでなく交渉上手な営業マンや社内調整が得意な人事、センスの光るデザイナーなど職種関係なく優秀な社員は何かしら結果を出すための暗黙知を持っていると言われています。

形式知とは

形式知とは、文章や図解、数値などによって、誰が見ても理解できるような形式で表現された客観的な知識をのことを指します。

一般的に広く利用されている「マニュアル」や「説明書」などの類は、この形式知に当てはまります。

【図解】暗黙知と形式知の違い

もう少し分かりやすく、自動車の運転を例に解説します。

暗黙知と形式知の違い

自動車の運転をマスターするためには、自動車の操作方法や交通ルールなどの理解が必要です。そのために自動車教習所へ通う方も少なくないでしょう。

エンジンをかけアクセルを踏むと自動車が動き出し、反対にブレーキを踏むと止まるなどの基本的な操作方法は形式知に分類され、同じ手順を踏めば誰でも自動車を動かしたり、止めたりできます。

しかしながら実際の道路での運転では、そうした形式知だけで対応は難しく「そろそろ信号が変わりそうだ」「この車の陰から人が飛び出してきそうだ」などのあらゆる情報をドライバーは瞬時に感じとることであらゆる運転の危険を回避しながら走行しています。

こうした運転中のあらゆる気付きやそれらの情報を基にした判断こそが、暗黙知と呼ばれるものであり、実際に幾度となく経験を積まなければ得られないものだとされてきました。

企業において暗黙知を形式知にするメリット

企業において暗黙知を形式知にするメリット

では企業において、ベテラン社員や優秀な社員の持つ暗黙知をそのままにしておいて良いのでしょうか。答えはノーでしょう。

ここでは具体的に、企業活動において暗黙知を形式知化するメリットをおさらいします。

メリット1. 社員のスキルを全体的に底上げできる
メリット2. 第二・第三の優秀な社員をスピーディに育てられる
メリット3. 業務の属人化が防げる
メリット4. 業務の生産性が上がる

メリット1. 社員のスキルを全体的に底上げできる

暗黙知を形式知化するメリットとしてまず挙げられるのは、働く社員のスキルを企業全体で底上げできることです。これにより業務の平準化が実現できるため、提供する製品やサービスの品質の均一化が可能となります。

また社員一人ひとりが持つ知識・ノウハウが社内データベースやナレッジマネジメントツール等に集積されていれば、そこを参照するだけですぐさま欲しい情報が得られるだけでなく、既に知識やノウハウを持つベテラン社員の手間も大幅に削減できることに繋がるでしょう。

参照:ナレッジマネジメントツールとは?

メリット2. 第二・第三の優秀な社員をスピーディに育てられる

働く社員全体のスキルの底上げだけでなく、優秀な社員が持つ暗黙知を形式知に変換できれば、第二・第三の優秀な社員をスピーディに輩出することができます。

ただし社員全体のスキル底上げよりも難易度としては高く、より高度なナレッジマネジメントの仕組みやツールを要します。

メリット3. 業務の属人化が防げる

暗黙知を形式知に変換できれば、休職者や退職者が出た場合でも、スムーズな引き継ぎが可能となり業務の属人化を防ぐことに繋がります。

特に優秀な社員の暗黙知は、会社や事業にとって重要なノウハウでもあるため、急な休職・退職に対応できるよう早期に形式知化しておきたいものでしょう。

メリット4. 業務の生産性が上がる

暗黙知を形式知化するにあたって、高度な検索機能を有するナレッジマネジメントツールを利用する場合、業務効率を大幅に改善できる可能性があります。

具体例として、あいまいなキーワードでも欲しい情報が手に入れられる「あいまい検索」や検索結果でその情報(ドキュメントファイル)の所有者を示すことができるため、誰が何に詳しいかすぐに分かるなどのメリットにも繋がります。

> 高度な検索機能を持つ社内検索システム「Neuron ES」のご紹介

暗黙知のままにしておくリスク

反対に暗黙知を暗黙知のままにしておく「リスク」についても考えてみたいと思います。

まずは優秀な社員が持つ暗黙知をそのままにしておくことで、その社員の急な休職や退職により事業を安定的に継続できなくなるというリスクを孕んでいます。

また会社の組織風土として暗黙知の形式知化に取り組む姿勢が感じられない場合、若手社員や新入社員などの不満となり、結果として早期退職や高い離職率にも繋がります。

特に昨今の若い世代の方は「先輩社員の背中を見て覚える」「先輩の技術を目で見て盗む」と言った昔ながらでやや抽象的な教育方法に疑問を持つ傾向も強いため、会社の姿勢としてもナレッジマネジメントに全く取り組まないという考えや組織風土は改善していくべきでしょう。

このように暗黙知を暗黙知のままにしておくリスクは、目先の事業への影響だけでなく、長期に渡る人材育成の面でも大きなリスクを孕んでいると言えます。

では暗黙知を形式知に変換するには、実際どのように取り組めば良いのでしょうか。

暗黙知を形式知に変換する際に利用したい考え方

企業活動における暗黙知と形式知の考え方は、日本の経営学者である野中郁次郎氏によって「SECI(セキ)モデル」として発信され、今では経営理論の一つとして世界中に知られています。

またこうした、暗黙知を形式知化する取り組みを「ナレッジマネジメント」と呼び、知識を経営に活かす手法として今や多くの企業で取り組みが進められています。

では実際に、ナレッジマネジメントを進めるための具体的な手法をご紹介します。

SECI(セキ)モデルを活用する

ナレッジマネジメントは、先ほど紹介した「SECI(セキ)モデル」と呼ばれるフレームワークに沿って実践されるケースが一般的です。それらは具体的に4つのプロセスに分けられます。

SECIモデル4つのプロセス

共同化

まずは暗黙知を暗黙知として伝え、相互理解を深める段階です。
必ずしも言語で伝える必要はなく、身体や五感を使いながら、勘や感覚などを表現して他者に共有します。

表出化

次に暗黙知から形式知へと変化させる段階です。先ほどのプロセスで暗黙知を他者と共有した後、この段階でそれを言葉や図などを用いてアウトプットします。

結合化

結合化は、すでに存在する形式知と形式知を結びつけるプロセスです。
これにより新しい知識が形成されます。またこのプロセスから形式知が個人単位ではなく、組織財産として活用できるようになります。

内面化

最後の内面化は、新しい形式知が再び暗黙知となる段階です。
先ほどのプロセスで形式知化された知識が、従業員の中で徐々に内面化され、新たな暗黙知へと変化していきます。(元に戻るのではなく、段階が一つ上がった暗黙知に変わっている)

そして再び、共同化→表出化→結合化→内面化を繰り返していき、企業の中の知識を向上させていきます。

場(Ba)をデザインする

先ほど紹介した「SECIモデル」は、ナレッジマネジメントにおいて知識を暗黙知から形式知に変換する際の概念となる考え方でした。

ここで紹介する「場(Ba)」とは、企業や組織の中で絶えず生み出される暗黙知や形式知を共有するための場所のことを言います。

具体的には、休憩スペースや喫煙所などのリアルで気軽な場所から、社内ポータルサイトや社内SNSなどのITを利用したツールなどが該当します。

先ほどのプロセスごとに適切とされている「場(Ba)」が存在するので、下記に紹介します。

共同化の場

共同化の場としては、休憩室や喫煙所、社内SNSなどのオープンかつ気軽なコミュニケーションが適しています。

表出化の場

雑談や気軽なコミュニケーションとは異なり、チーム内での議論や建設的なディスカッションなど、共通の目的を持った場が必要となります。

連結化の場

ナレッジマネジメントツールなどを導入し、形式知を共有・整理・蓄積できる場を提供することが重要です。また蓄積された形式知を相互に移動・編集・検索する機能が備わっていると、より活発な連結化が進むとされています。

内面化の場

ナレッジマネジメントにおいて、新たな暗黙知の創出はネガティブなものではありません。
ここでは繰り返し行われる共同化以降のプロセスに向けて、企業活動にとって有益である暗黙知の創出が重要となります。

このように、SECIモデルの4つのプロセスに合わせた「場(Ba)」を提供することが、ナレッジマネジメント成功の一つの要素となります。

知的財産を継承する

こうしたナレッジマネジメントの活動が一時的なものにならないための、仕組みづくりも非常に重要です。

特に推進する部署のリーダーやミッションが変わってしまうと、途端にこれまで蓄積してきた知識の管理や更新が途絶えてしまい、数年後にはその知識が古くなってしまうなどして活動としてはほぼ振り出しの状態となるケースも多々見られます。

など、一時的な活動で終わらせないためにも、企業全体・社員全員でナレッジマネジメントの取り組みをバックアップしていく体制を構築しましょう。

ナレッジリーダーを立てて知識ビジョンを作る

ナレッジリーダーを立てて知識ビジョンを作る

ここまで読んでお気づきかもしませんが、ナレッジマネジメントを効果的に進めるためには、強いリーダーシップを発揮する必要があります。

こうしたナレッジリーダーは社内の従業員に対して、なぜ情報共有が重要なのかといった啓蒙活動はもちろん、SECIモデルの理解やツール選定、時には情報共有に関する評価制度などを構築しなければなりません。

当然ハードルの高いものだと思われがちですが、まずは一つのチームや部署に絞る、目的を絞るなどして「スモールスタート」を切ることから始めてみることをオススメします。

スモールスタートを切ることでまずは成功体験が生まれ、ナレッジリーダーの自信に繋がることはもちろん、活動初期に手掛けたチームや部署からの賛同が得られるだけでなく、社内での実績にもなるからです。

> ナレッジマネジメントのスモールスタートに有効な「Neuron ES」のご紹介

暗黙知を形式知に変換する具体的方法&おすすめツール

暗黙知を形式知に変換する具体的方法&おすすめツール

さて前章までは暗黙知を形式知化するための考え方(SECIモデル)や手法をご紹介してきました。

ここではもう少し身近に感じて頂けるようなナレッジマネジメントの方法とそれに合ったおすすめのナレッジマネジメントツールをいくつかご紹介します。

紙文書以外の形式知化を考える

昨今のIT化により従来よりは減ってきた紙文書によるナレッジの管理ですが、業種・業界によってはいまだに形式的に続いている企業も少なくありません。(業務マニュアル・手順書・請求書など)

紙文書の最大のデメリットとして、必要な時に瞬時に探し出せない点が挙げられます。他にも、物理的な制限として、特定の場所に移動しなけらば閲覧できない、保管する場所が必要などの問題もつきまといます。

現在では、OCR(光学文字認識)を使った、紙文書を高速かつ正確にデジタル化する技術もあり、紙文書のデジタル化はそこまでハードルの高いものではありません。

従来からのやり方を変えるには一時的な負担は発生しますが、その後の劇的な業務効率化・情報の共有化を考えると紙文書以外の形式知化は今すぐにでも考えるべきです。

企業内検索システムや社内wiki・社内SNSなどを検討する

近年、企業のナレッジマネジメント活動をサポートするナレッジマネジメントツールが多く登場していますが、その目的や機能は各社様々です。

ナレッジマネジメントの取り組みをこれから始める、あるいは過去にやってみたが中々上手くいかないという企業の場合、まずは目的や機能を絞って「スモールスタート」でやってみることをおすすめします。

共有化が目的であれば、従来から存在する社内wikiの設定でも良いでしょうし、社内の文書ファイルの横断検索に特化した社内検索システム「エンタープライズサーチ」を利用するのも良いでしょう。

(参考記事)エンタープライズサーチとは?主な機能や導入メリット・活用事例を解説

あるいは共同化を目的に、気軽なコミュニケーションを活発化するための社内SNSやチャットツールなどを導入するのも一つの手段です。

反対にすでにある程度ナレッジマネジメントの取り組みを行っている企業であれば、先ほどのSECIモデルを参考に、具体的にどの部分が課題となっているかを把握し、それに合ったナレッジマネジメントツールを選択することをおすすめします。

音声や動画を積極的に活用する

暗黙知や形式知などの知識を共有する場合、テキスト文書や図解や図表などを用いて表現するのが一般的でしたが、最近では音声や動画などのデータで共有するケースも増えてきています。

特に動画データの場合、感覚的なニュアンスをしゃべり手によって表現できたり、写真や動画を交えながら紹介することで劇的に理解が深まるなどの大きなメリットがあります。

一方で動画や音声データの編集ハードルはまだまだ一般の従業員には高度であり、閲覧するにも時間軸を要するため、その場で瞬時に知りたいという場面には向きません。

共有したい情報や知識に適した表現方法を見つけるというのも重要です。

暗黙知を形式知化する際の注意点

では最後に暗黙知を形式知化する際の注意点をいくつかご紹介して終わろうと思います。

1. 多機能なツールはむしろ定着しない
2. 取り組み開始前の定量的なデータを必ず取っておく
3. 情報共有に協力的な社員は多くない

1. 多機能なツールはむしろ定着しない

近年登場しているナレッジマネジメントツールには、多機能なものも数多く存在します。

一見機能は多ければ多いほど良いように思えますが、実際は多くの社員が使いこなせず、結果的にナレッジマネジメントの取り組みが定着しなかったというケースも少なくありません。

いきなり完璧なナレッジマネジメントを求めるのではなく、まずはスモールスタートで目的や対象人数を絞って活動することをおすすめします。

その場合、機能は多くを必要とせず、むしろ機能や目的を絞ったナレッジマネジメントツールを導入することで、社内での成功体験を徐々に広げていけるというメリットもあるのです。

2. 取り組み開始前の定量的なデータを必ず取っておく

本記事で紹介したように、ナレッジマネジメントの取り組みは企業に大きなメリットをもたらす分、プロジェクトとしてはそう簡単なものではありません。

特に旗振り役となるナレッジリーダーの役割は大きく、ナレッジマネジメント成功の鍵を握っていると言っても過言ではないでしょう。

プロジェクトに関わる人間としては、ナレッジマネジメントの取り組みによる費用対効果をしっかりと算出し、定量的に示していきたいものではないでしょうか。

そのためにもいきなりツールを導入するのではなく、まずは活動前の現状数値を取っておくことも大切なステップです。

3. 情報共有に協力的な社員は多くない

最後は心構えとしてお伝えいたしますが、ナレッジマネジメントの取り組みは基本的には誰しもが大切な活動だと理解しており、企業もそれ自体否定はしないでしょう。

しかしいざ実践となると、従業員はみな忙しく、自身の業務時間を割いてまで情報共有に積極的ではないといった光景も少なくありません。特にベテラン社員や優秀な社員は、自身の経験によって得た知識やノウハウをそう簡単に他の社員に教えようとはしないはずです。

こうした実情を踏まえて、情報共有に何かしらのインセンティブを付けたり、情報共有に積極的な社員の評価制度を構築するのもまたナレッジマネジメントの取り組み成功の重要な要素だと言えます。

まとめ

今回は暗黙知とは何か、形式知との違いやその意味について紹介し、その上で企業活動におけるナレッジマネジメントの重要性や取り組み方についてお話いたしました。

暗黙知を形式知化する取り組みは、決して簡単なものではありませんが、まずはスモールスタートから実践し、企業内での成功体験を重ねていくのが成功へのステップです。

これまで企業において重要だと認識されながらもなかなか進まなかったナレッジマネジメントですが、プロセスの確立やナレッジマネジメントツールの登場により、少しずつ取り組みやすくはなっている状況にあります。

特に情報過多である昨今のビジネスシーンにおいてナレッジマネジメントは、一部の職人や職人気質の人に限らずとも日に日に重要性を増していくのではないでしょうか。

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