企業のソフトウェア化による英知の蓄積と活用(アーカイブ動画)
東京貿易ホールディングス株式会社
登壇セッション アーカイブ動画
※本アーカイブ動画は、2026年7月1日(水)に行われた「Microsoft 365 Copilot と Neuron ES による新たなナレッジ活用基盤」での講演内容です。本ページ右にある「動画視聴申込みフォーム」よりお申込みください。
全社的なDX推進が求められる現代において、企業が持つ真の価値はどこにあるのでしょうか。
本セッションでは、多くの企業が直面する「ベテラン従業員の引退や異動によるナレッジの喪失」、そして「部門ごとにサイロ化された専門知」という課題に対する、社内情報の構造化と生成AIを組み合わせた先進的なアプローチについて迫ります。
| 講演タイトル | 企業のソフトウェア化による英知の蓄積と活用 |
|---|---|
| 登壇者 |
東京貿易ホールディングス株式会社 DXアドバイザー 益田 瑞文 様 |
| 申込方法 |
本ページ右にある「動画視聴申込みフォーム」よりお申込みください。 ※同業他社様、個人の方の視聴はお断りさせていただきます |
企業知性の時代 〜企業のソフトウェア化による英知の蓄積と活用〜
本講演では、東京貿易ホールディングス様の事例をもとに、役割別のAIエージェント同士が企業知性を介して協調する「企業のソフトウェア化」という未来像についてお話しいただきました。人の代謝に左右されず、組織の経験をアップデート履歴としてコード化・資産化する、自律的な進化を行う知的システムの構築プロセスを学びます。
属人化とサイロ化が進む現代企業が直面する「組織の健忘症」という課題
企業には業務経験、ノウハウ、判断という「英知」が存在しますが、これらは部門システムや個人の頭の中にブラックボックス化して埋没しがちです。各専門知は強力なサイロとなり、部門を超えた共有は困難を極めます。
さらにベテランの引退、定期異動、プロジェクトの解散によって、蓄積された組織能力や成功・失敗のパターンが「ゼロにリセットされる(忘れてしまう)」という、流出し続ける組織能力の現実(組織の健忘症)が浮き彫りになっています。
これらを組織の記憶装置に保存し、継承していくことが現代企業の大きな課題です。
生成AIがもたらす「検索から対話」へのパラダイムシフト
生成AIの登場により、ナレッジ管理はキーワードに依存して人間がドキュメントを読み解く「検索(サーチ)」から、意味や文脈を理解して直接答えを導く「対話(ダイヤログ)」へとシフトしました。企業のデータのうち約95%を占めるとされる「非構造化データ」には膨大な英知が眠っています。
生成AIが人間の脳のプロセスである「意味付け」や「文脈化」を代替することで、これまで活用されずに捨てられていた膨大なデータから、直接生きた知恵や求めている回答そのものを引き出すことが技術的に可能となりました。
「TB-Buddy」と「Neuron」の融合:ハルシネーションさえも力に変える独自の運用工夫
同社は社内検索「Neuron ES」を活用したプラットフォーム「TB-Buddy」を開発し、社内文書を統合・構造化して自然言語で引き出せる仕組みを構築しました。さらに、生成AIのハルシネーションを欠点ではなく、仮説構築の「壁打ち相手」として活かすユニークな取り組みを展開しています。
特許情報等の外部データから競合の戦略的意図を推論させる「デジタルスコープ」や、グループ社長の発言・理念を学習させて思考プロセスをシミュレートする「クローン坪さん」を実用化し、仮説検証や理念浸透に役立てています。
目指すべき未来「企業のソフトウェア化」と自律的に進化する知的システムへの展望
東京貿易ホールディングスが「TB-Buddy」の先に見据えるロードマップは、単に質問に受動的に答えるAIを超えた、能動的に動く「ロール(役割)別AIエージェント」の連携と自律循環です。営業、設計、保守、経営などの各部門に最適化されたエージェント同士が、共通リポジトリを通じてお互いの情報を統合する未来を描いています。
これからの企業が目指すべきは、単なるファイルの整理整頓ではなく、知識の相互作用を管理する「コグニティブ・リポジトリ」の構築と、自律学習・常時進化を可能にする「企業知性」の確立であり、ソフトウェアのようにバージョンアップを繰り返す組織の実現です。
執筆担当:ブレインズテクノロジー株式会社 岡本、植谷
