
| お客様名 | 鹿島石油株式会社 |
| ご担当部署 |
鹿島製油所 製油技術グループ グループマネージャー 尚和 義人 様 |
| 導入製品 | Impulse |
| 導入時期 | 2025年11月 |
鹿島臨海工業地帯における競争力強化に向けた茨城県との取組の中で、県経済を支える産業拠点として重要な位置付けにある鹿島製油所にて、ローカル5G通信を活用したAI画像解析やセンサーデータ集約による運転オペレーションならびに予知保全の高度化を図る取組を昨年度実施しました。
これらの取組を実現するために、Impulseを導入しました。
Impulseによる不審者・不審船の検知画面イメージ

具体的な取組として、不審者・不審船の検知、日常点検の高度化、人間の目の代替となるAIの活用といったニーズがあり、Neuronの導入ですでに実績のあったブレインズテクノロジー社のImpulseを選定しました。
上記ニーズを満たすためには現場ごとの環境条件や運用ルールを踏まえながら、何を「異常」とみなすのかを定義する必要がありました。
その点、Impulseは、こうした現場固有のデータをもとに、判定用モデルの構築から評価、改善までを一貫して進められるAI活用基盤であることが魅力でした。
また、各担当者自身がモデル構築の手順を理解し、将来的には自社内でAI活用を広げていくことも重視していました。そのため、AIモデルの構築を専門家任せにするのではなく、現場データを活用しながら、現場の担当者が主体となってモデルを継続的に改善していける点も、弊社の取組に適していると感じました。

各現場における効果的な活用シーンを整理したうえで、桟橋付近での不審者・不審船の検知、プラント設備におけるウェアラブルカメラを用いたメーター読み取り、作業手順の差分検知などを中心に、実際の現場で取得したデータを用いて検証を実施しました。
重要装置・設備のAI画像解析、不審者・不審船の検知、臭気異常検知など、複数のAI活用テーマにおいて、現場運用の要求が高く、必要な検知結果の出力内容や運用方法を整理する必要がありました。特に、「どのような状態を異常と判断するのか」においては、現在も継続的に検討を進めています。

導入効果としてまず期待されるのは、監視・確認業務の負荷軽減です。従来は担当者が映像を継続的に確認する必要がありましたが、AIが異常候補を自動的に検知・通知することで、必要な場面を効率的に把握できるようになり、常時監視の負担軽減につながることが期待されます。
次に挙げられるのが、異常検知の早期化です。AIによる差分検知により異常発生時の初動対応を迅速化し、安全性の向上や保安体制の強化につなげることができます。こうした取組は茨城県が抱えている地域課題解消の一助にもなり、AI画像解析を用いた設備の予兆保全や港湾からの不審者・不審船の侵入をリアルタイムで遠隔監視できることによって、工業地帯の安全性維持や保安体制強化に有効であると考えています。
また、現場でAIを活用していくための知見を蓄積できたことも、大きな効果の一つです。画像解析や臭気センサーを題材に、Impulseを使ったモデル構築の流れを学ぶことで、弊社でも「どのようなデータがAIに適しているのか」、「どのように判定モデルを作り、改善していくのか」を具体的に理解できるようになりました。
今後は、今回の取り組みで得られた知見をもとに、AI活用の対象をさらに広げていきたいと考えています。
まず、AI画像解析の対象となる重要装置・設備を拡大し、異常兆候の早期発見や予兆保全への活用を進めていきます。次に、不審者・不審船検知の精度向上や、検知後の通知・確認フローの高度化を目指します。さらに、臭気センサーのデータを継続的に蓄積し、臭気異常の傾向把握や発生要因の分析につなげていきます。
予兆保全・保安高度化への展開イメージ