
| お客様名 | 三菱ケミカル株式会社様 |
| ご担当部署 |
三菱ケミカル株式会社 |
| 導入製品 | Impulse |
| 導入時期 | 2022年7月 |
弊社の東海事業所の設備管理は、TBM(Time Based Maintenance:時間基準保全)及びCBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)が主流です。TBMでは、設備のメンテナンス実績をもとに整備周期を設定するため、周期到達前に故障が発生するリスクを低減できるというメリットがあります。一方で、実際の設備状態にかかわらず定期的に保全を実施することから、過剰なコストが発生しやすいという課題がありました。
また、運転ロードによって設備の劣化速度が変動する場合もあり、メンテナンス実績のみに基づいて適切な周期を設定するのが難しいのが実情です。このような課題を解消し、設備管理の高度化を実現するため、異常兆候を早期に把握したいというニーズがありました。
近年では、新たなセンシング技術の導入により、設備の劣化診断に必要なデータの収集が容易になってきています。これらのデータを活用し、異常検知や予兆把握AIを用いたCBMの高度化およびPdM(Predictive Maintenance:予知保全)への移行による高度な設備管理を目指すとともに、最終的には保全計画の自動化の実現を目標としています。
調節弁の時系列データを用いて自社で異常検知システムを構築するのに、Impulseが特に適していると判断しました。専門保全スタッフによる市民開発ができることをゴールに見据えているため、AIの専門家でなくても扱いやすいインターフェースを備えており、分かりやすく標準化された手順で継続的に分析・改善を進めることが可能であることから、自社の進め方に合致する最適なソリューションであると評価し、採用を決定しました。
対象設備のどのデータが異常検知に適しているかが導入時点では明確ではなく、特徴量の選定に時間を要しました。これには専門保全スタッフが持つ設備知見だけでなく、Impulseの分析結果も組み合わせることで、異常検知に適したデータ選択をすることができました。社内での運用面についても社内データ基盤との接続や社内での本格運用に向けた体制、ルールづくりにも工夫が必要でした。
また、運用を進める中で見えてきた要件を整理し、ブレインズテクノロジー社と連携しながら、異常予兆検知機能や推論状況監視機能、使い勝手の向上に関する改善を進めていきました。
実現性の検証では、内弁固着、供給空気圧低下といったテーマでプレ分析を行い、設備データから異常の兆候を捉えられるかを確認しました。最近では、擬似異常機能を活用してのモデル精度向上にも取り組んでいます。
Impulseの導入により、設備データを活用した異常検知・予兆把握を、自社主導で継続的に進める基盤が整いました。現場運用を通じて分析テーマを広げやすくなり、設備保全・安定操業に向けたデータ活用を具体的に前進させることができています。
今後は、調節弁以外の機器への適用や、各拠点への展開を具体化していくとともに、設備管理領域で蓄積したデータや運用知見を生かし、AIエージェント関連のプロジェクトなど、より高度な活用への発展も視野に入れています。
※記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。