
| お客様名 | 本田技研工業株式会社様 |
| ご担当部署 |
本田技研工業株式会社 鈴鹿製作所 完成車第一工場 |
| 導入製品 | Impulse |
| 導入時期 | 2026年2月 |
ヒューズBOX結線工程において、カプラー嵌合不良(未結合・半嵌合)の低減が主要な改善テーマの一つでした。特に半嵌合については、通電するケースもあるため、作業者の五感(音や手応え)による検査工程は負荷が高く、品質保証の対応が課題となっていました。このような背景から、将来的には五感に頼らない品質保証、すなわちAIやセンサーを活用した客観的かつ安定した品質保証の実現が求められており、その具体的な手段として、「Impulse」の導入を検討するに至りました
嵌合作業における「作業者の感覚(音や手応え)に頼らない品質把握」、「半嵌合・未結合の即時検知」、さらには「全数保証(抜き取り検査の削減)」の実現に向け、各種ソリューションの情報収集および選定を進めていました。その過程でパートナー企業より「Impulse」の提案を受け、当初の目的を達成し得る最適なソリューションであると判断し、採用を決定しました。
嵌合作業の品質を工程内でリアルタイムに保証し、半嵌合・未結合の即時検知による不良流出防止を実現できる点に加え、既存ラインへの最小限の設備変更で導入・高精度判定・短期間立ち上げが可能であることが採用の決め手となりました。
「Impulse」の導入にあたっては、複数の作業者による1,000サイクル超のデータを用いた事前検証を実施しました。 また、検証で構築したモデルを評価用途として実際の現場に適用し、3か月間の運用を通じてエッジケースを含む誤判定パターンを事前に洗い出すことで、必要な対策を講じることができました。
導入にあたっては、工場内の騒音環境下において嵌合音を安定的に判定できることが最大のポイントでした。現場での検討を重ね、収音・精度検証を通じて、誤判定となる原因が明らかになりました。その結果、設置位置変更・アルゴリズム改善により判定精度を事前に検証・向上した上で導入を進めることができました。 また、現場ごとの要件に適切に対応できるよう、一定の柔軟性を持つシステムが必要であり、カスタマイズが可能であった点も重要な要素でした。 AIを実工程にリアルタイムで適用する前例のない取り組みであったことから、導入に際しては評価者の技術的詳細への関心が高く、実証実験を通じて得られたエビデンスを活用し、理解促進を意識した説明に注力しました。

今「Impulse」の導入により、従来は作業者の五感に依存していた嵌合作業において、客観的かつリアルタイムな品質把握が可能となりました。当初の狙いどおり、カプラーの爪を持ったまま嵌合するなど、「音が鳴りにくく、嵌合不良の要因となり得る作業」についても自動的に検知できる仕組みを構築し、作業者がその場で異常に気づける環境を実現しました。これにより、潜在的な品質リスクの早期発見が可能となりました。
また、導入を進める中で得られた追加効果として、嵌合音のピーク検出時に記録される画像データを活用することで、作業者ごとの作業の癖や改善ポイントを可視化できるようになりました。この取り組みにより、不良検知にとどまらず、個々のスキル向上や改善活動への活用も進んでいます。
さらに、これらのデータをもとに作業標準の見直しにもつながり、工程全体の品質保証レベルのさらなる向上にも貢献しました。「Impulse」は単なる検査ツールではなく、現場改善を継続的に促進する仕組みとしての価値を確立しています。
今回はサブラインのセル作業工程への適用であったものの、今後は完成車組立のメインラインへの導入も検討していきます。メインラインでは作業スピードや対象点数が増えるため、より高度な運用設計や精度確保が求められます。本検証で得られた知見を活かし、適用範囲の拡大を図っていきます。
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