「SWaC®︎」に搭載する運転状態異常・予兆検知システム「SaiSense®」の
AIエンジンに「Impulse」を採用

「SWaC®︎」に搭載する運転状態異常・予兆検知システム「SaiSense®」のAIエンジンに「Impulse」を採用。

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お客様概要

お客様名 水ing株式会社
ご担当部署

水ing株式会社 企画開発本部
デジタル・システムイノベーション統括部長 古賀 大輔 様
水ing株式会社 企画開発本部
デジタル・システムイノベーション統括部 ソリューション技術部 飯倉 智弘 様
水ing株式会社 企画開発本部
デジタル・システムイノベーション統括部 IoT・クラウド技術部 仁木 正義 様

導入製品 Impulse
導入時期 2024年7月

水ing株式会社ホームページ


Impulseを導入したきっかけについて、教えてください。

取り組みの背景

データの一元管理を担うプラットフォーム「SWaC®︎」

弊社は、水処理施設(浄水場、下水処理場、汚泥再生処理センター、民間施設など)のデータを一元管理し、情報の可視化・活用を実現するプラットフォーム「SWaC®︎」を提供しています。

人口減少や技術職員の不足、施設の老朽化が進む中、従来のように各施設単独で運転・管理を行う手法では維持管理品質の保持に課題があったため、「SWaC®︎」が開発されました。特に地方では過疎化が進み、維持管理の担い手不足が深刻化しており、限られた人員で効率的に運営する仕組みが求められています。

熟練技術職員の経験と知見をAIに学習させ、人とAIが役割を分担する効率的な監視体制の構築を目指す

水処理施設では一般的に設備に閾値を設定し運転状態を監視しますが、閾値を超えてからでは対応が遅れるリスクがあります。 そこで頼りになるのが、熟練技術職員の経験と知見です。熟練技術職員が、重大な問題発生前の「いつもと違う」状態を察知し、早期に対応することで水処理施設の維持管理を実現しています。

弊社は、「SWaC®」に集約された熟練技術職員の経験と知見のデータを学習させたAIに、異常検知の業務を肩代わりさせることを目指していました。これを実現することで、人が常に監視モニターを見続ける必要がなくなり、他の業務に従事できるようになります。また、異常発生時には状況判断と対応に集中できるため、監視品質の維持と効率化を図れると考えていました。

導入のきっかけ

事前検証の結果が「Impulse」導入の決め手に

「SWaC®︎」は、各種データを収集・蓄積・可視化・活用する情報プラットフォームですが、集約されたデータをAIなどに活用できる機能を有していることが特徴です。特に、運転状態の異常検知や予兆検知に対するニーズが高いため、その機能の開発を検討していました。

「Impulse」は産業界でも実績があったことから、「SWaC®︎」との連携を考えました。実際にブレインズテクノロジーの支援を受けながら事前検証を実施したところ、良好な結果が得られたため、「Impulse」の導入に至りました。


Impulseを選んだ理由について、教えてください。

実現性の検証

マンホールポンプの不具合予兆を早期に検出。維持管理業務の効率化・品質向上に貢献

マンホールポンプとは、下水処理場へ家庭や工場などの排水を集約する下水管を地中深くに設置できない場所で、排水をくみ上げるための設備です。地域によっては、数十基ものマンホールポンプが設置されている場所もあり、排水に含まれるし渣による詰まりや不具合が発生することがあります。

過去のマンホールポンプの異常が発生した際のデータをもとに、「Impulse」で解析を行ったところ、従来の閾値監視よりも早期に異常を検知できることが分かりました。これにより、従来は職員が毎日巡回点検を行って対応していた下水処理場においても、巡回点検の必要性が減少し、維持管理業務の効率化と維持管理品質の向上に大きく貢献できると考えています。

「SaiSense®」の概要図

「SaiSense®」の概要図


導入状況について教えてください

導入効果

AIによる予兆検知が人への負担を軽減する

「Impulse」をAIエンジンとして活用した運転状態異常・予兆検知AIシステム「SaiSense®」の提供を2024年10月より開始しました。今後は、下水道マンホールポンプの不具合だけではなく、上水道配管の漏水検知にも適用など、ユースケースの拡大を検討及びデータによる検証を進めています。

最終的には、弊社が各オペレーション現場で培った経験や蓄積されたノウハウを「SaiSense®」で具現化することで、巡回点検の削減など、人口減少や技術職員の不足に直面する水処理施設の維持管理現場の業務効率化に寄与できると考えています。

「Saisense®」のダッシュボード


今後の展開を教えてください。

共に「SWaC®︎」の未来を創る

かつては夢物語のように思えたことも、時代の進化、クラウドサービスの活用、そして技術力とコミュニケーション力に優れたブレインズテクノロジーとの協業によって、自らプラットフォームを構築できるようになりました。この取り組みを通じて、IoT、クラウド、AIといった最先端技術が単なるツールではなく、私たちの知見として蓄積され、新たな可能性を切り拓く力になることも実感しています。

これからも、「SaiSense®︎」の精度向上や適用範囲の拡大に取り組むとともに、新しい技術を「SWaC®︎」に融合させながら、共に進化を続けていきます。技術の力で、水処理の未来を切り拓いていく——その挑戦に、終わりはありません。


※本文記載の会社名及び製品名、サービス名などは、それぞれ各社の登録商標または商標です。


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